マダガスカルの地方行政区画

マダガスカルの地方行政区画の変遷

マダガスカルの地方行政区画は、フランス植民地時代の遺産を受け継ぎつつ、独立後の政治状況や行政改革によって幾度も再編されてきました。その歴史は、沿岸部と首都の間の権力バランス、地方分権化の試み、そして行政の効率化といった様々な要因が複雑に絡み合っています。

2015年以降の行政区画

2015年4月1日、新たな行政区画が施行され、以下の4層構造となりました。

州 (Provinces): かつての自治州を継承
県 (Préfectures): かつての地域圏を継承
郡 (Districts): かつての郡を踏襲
行政区 (Arrondissements Administratifs)

この再編により、マダガスカル全土は6州、24県、117郡に区分されました。郡は複数のコミューンを含むものとされ、区画の線引きには実質的な変更がありました。また、フクンターニは廃止され、県名や郡名には改称が行われました。

地域圏制 (2009年-2015年)

2009年、自治州が解体され、地域圏が第一級行政区画に昇格しました。この時、地域圏は全部で22となりました。地域圏は1994年に州の下位区分として設置されたもので、その下には県、コミューン、フクンターニが置かれていました。当時の行政区画は、116県、16,969フクンターニから構成されていました。

1946年-2009年の行政区画

1946年、フランス植民地時代に州制度が導入されました。当初は5つの州でしたが、後にアンツィラナナ州が追加され、6州体制となりました。この州制度は、1960年の独立後も維持されました。

1992年の新憲法では、地方自治体の創設が謳われましたが、具体的な行政区画については法律に委ねられました。1994年の法律では、地域圏、県、コミューンの階層が定められましたが、州については言及されませんでした。

1997年に再選されたラツィラカ大統領は、1998年に憲法を改正し、既存の州を「自治州」に改編しました。この制度は2000年に導入され、連邦国家を目指すという名目のもと、大統領の支持基盤を強化する狙いがあったとも指摘されています。

2001年の大統領選挙後、5つの州知事がラツィラカ大統領を支持し独立を宣言するなど、政情は混乱しました。ラヴァルマナナ大統領が就任すると、州知事は特別代表団の代表に変わり、自治州の枠組みは事実上終焉を迎えました。しかし、組織自体は名目上存続しました。

2007年4月4日の国民投票で、有権者の大多数が州の解体を支持し、地域圏が地方行政区画の最大の単位となりました。移行期間を経て、2009年10月に州は正式に解体されました。

行政区画の変遷が意味するもの

マダガスカルの地方行政区画は、植民地時代から独立後の政治状況、地方分権化の試み、そして行政の効率化といった様々な要因によって、複雑な変遷を遂げてきました。この歴史は、マダガスカルの政治と社会を理解する上で重要な要素の一つと言えるでしょう。

関連項目

マダガスカルの都市の一覧
ISO 3166-2:MG

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