マッシブ・タレント

マッシブ・タレント：落ちぶれたスターとマフィアの危険なゲーム

2022年公開のアメリカ映画『マッシブ・タレント』（原題：The Unbearable Weight of Massive Talent）は、ニコラス・ケイジ主演によるアクションコメディです。監督はトム・ゴーミカン、脚本はゴーミカンとケヴィン・エッテンが担当しました。

輝きを失ったレジェンド

かつて数々の名作に出演し、レジェンドと称えられた俳優ニック・ケイジ（ニコラス・ケイジが演じる架空の人物）。しかし、彼は現在、キャリアの低迷、経済的な困窮、そして離婚した妻オリヴィアや娘アディとの複雑な関係に悩まされています。ホテルの未払い宿泊料金が60万ドルに達し、追い出される身にもなってしまいます。

行き場を失ったニックは、俳優業からの引退を決意。最後の仕事として、100万ドルの報酬で、ある男の誕生日パーティーに出席することを引き受けます。その男ハビは、マヨルカ島でオリーブ農園を経営する、ニックの大ファンでした。

予想外の展開

ハビの屋敷で温かく迎えられたニックですが、ハビはニックの引退を聞いて落胆します。翌日、ハビはニックを崖に連れて行き、突然「追っ手から逃げる演技」を始めます。戸惑うニックでしたが、ハビの熱意に打たれ、彼と共に崖から海へと飛び込みます。

引退を撤回したニックに、ハビは自作の映画脚本を提案します。しかし、ニックのエージェントはハビからの脚本をニックに伝えていませんでした。バーで脚本を読んだニックは、アメリカ政府の秘密捜査官ヴィヴィアンとマーティンに拘束されます。彼らによると、ハビは国際的な武器カルテルのボスで、スペイン首相候補の娘マリアを誘拐したとのことでした。

スパイとしての任務

ニックは政府に協力し、ハビの屋敷に潜入してマリア救出の任務に就きます。監視カメラシステムに侵入する任務中に、毒を誤って使用してしまうハプニングに見舞われながらも、任務は完了します。しかし、マリアの居場所は一向に見つかりません。ニックはハビの映画にマリア誘拐の展開を提案し、屋敷に滞在を延長します。事態を深読みしたハビは、ニックの家族を屋敷に呼び寄せてしまいます。

昼食の席で家族関係修復を試みるニックは失敗、ハビの仲間ルーカスが現れます。ニックはヴィヴィアンに連絡を取り、ハビを捕らえれば家族が救出できるかもしれないと提案されます。しかし、ハビはルーカスから、マリアを誘拐したのはルーカスであり、ニックがスパイであることを知ります。ルーカスはハビにニックを殺すよう脅します。

崖っぷちの決断

崖で銃を突きつけ合うニックとハビですが、どちらも撃つことができず、ルーカスの部下に襲われます。屋敷に戻ると、娘のアディはルーカスに捕らえられており、ヴィヴィアンたちは殺されていました。ハビの隠れ家に逃げ込んだニックとハビは、アディとマリアを救出するため、ニックがイタリアンマフィアのボスに変装してルーカスのアジトに潜入する作戦を立てます。

作戦は成功しますが、変装がばれそうになったニックはルーカスの銃を奪い、人質にします。オリヴィアにアディとマリアを連れて逃げるよう指示し、脱出したニックはハビと共に女性たちの待つ車に乗り込み、大使館へ向かいます。しかし、ハビとガブリエラは追っ手を足止めするために残ります。

映画の中の現実

カーチェイスの末、大使館に逃げ込んだニックたちは、ルーカスを撃退します。場面は、ニック主演の映画のプレミア上映に切り替わり、万雷の拍手が送られます。ニックはハビと再会しますが、パーティーの誘いを断り、家族との団欒を選びます。

キャストと製作

この映画は、ニコラス・ケイジが演じる主人公ニック・ケイジと、もう一つの人格ニッキーの設定など、多くの要素が、現実のニコラス・ケイジの人生やキャリアを反映しています。ペドロ・パスカル、シャロン・ホーガン、ティファニー・ハディッシュ、ニール・パトリック・ハリスなど豪華な共演陣も作品の魅力です。撮影はクロアチアで行われ、マーク・アイシャムが音楽を担当しました。

興行成績と評価

興行収入は低調でしたが、Rotten Tomatoesでは高い支持率を獲得し、批評家からも高い評価を得ました。ニコラス・ケイジとペドロ・パスカルの演技、独創的なストーリー展開などが称賛されています。

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