マッド★ブル34

マッド★ブル34

『マッド★ブル34』は、小池一夫原作、井上紀良作画による日本の漫画作品。1986年から1991年にかけて『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載され、単行本は全27巻。1990年からはOVAもリリースされました。1999年にはリブート版である『マッド・ブル2000』がMANGAオールマンにて連載されています。

概要

物語の舞台は、ニューヨーク市警察第34分署管内。マンハッタン区ワシントンハイツを舞台に、主人公である破天荒な警官「マッドブル」ことジョン・エスティースと、その同僚たちの活躍を描いています。

マッドブルは、犯罪者に対しては容赦なく、時に法を無視した行動を取ることもありますが、その根底には弱者を守ろうとする強い正義感があります。相棒となる新米警官ダイザブローとのコンビ、そして後に加わる女刑事ベリンとのトリオで、マフィアや麻薬組織など、様々な事件に立ち向かっていきます。

あらすじ

ニューヨーク市警察学校を卒業したばかりの新人警官、ダイザブロー・バン。彼が赴任したのは、マンハッタンでも特に犯罪発生率の高い34分署でした。そこでダイザブローは、ジョン・エスティースという黒人警官とコンビを組むことになります。

ジョンは、友人からは「スリーピー」と呼ばれ、犯罪者からは「マッドブル」と恐れられる存在。些細な脅威にもショットガンを撃ち、犯罪者を躊躇なく処刑するような、物騒な言動が目立つ人物でした。ダイザブローは当初、スリーピーの型破りなやり方に反発を感じますが、共に捜査を進めるうちに、彼の行動の裏にある正義に気づき、次第に信頼を寄せていきます。

やがて二人は34分署の名コンビとして活躍するようになり、そこに女刑事ベリンが加わります。彼らはマフィア組織や薬物乱用など、より困難な事件に立ち向かうことになります。

主な登場人物

スリーピー(ジョン・エスティース)
本作の主人公の一人。プエルトリコ系の黒人警官で、「マッドブル」の異名を持ちます。街の暗黒街を仕切るボスでもあり、常に命を狙われています。悪党には容赦しませんが、弱者には限りなく優しい一面も持ち合わせています。過去にギャングによって家族を殺害された経験から、全てのギャング組織を壊滅させることを誓っています。

ダイザブロー・エディ・伴
もう一人の主人公。日系アメリカ人の新人警官です。真面目な性格で、スリーピーの破天荒な行動に戸惑いながらも、次第に彼を理解し、相棒として協力していきます。物語が進むにつれて、彼自身も大胆な行動を取るようになっていきます。後にベリンと恋仲になり、結婚しますが、悲劇的な結末を迎えます。

ベリン
110分署から来た女刑事。スリーピーとダイザブローのトリオに加わり、困難な事件を解決していきます。ダイザブローと恋に落ち、結婚しますが、ある事件で命を落とします。

ニコル
通称「電気屋ニコル」。電気関係に強い殺し屋で、スリーピーの命を狙っています。奇妙な殺人装置を開発する一方、スリーピーが他の者に狙われた際には情報を提供するなど、奇妙な共生関係を築いています。甘いものが大好きで糖尿病を患っています。

* 署長
34分署の署長。事なかれ主義で、トラブルメーカーであるスリーピーを嫌っていますが、いざという時には部下を守る一面も見せます。

OVA

1990年から1992年にかけて、50分間のOVAが全4巻リリースされています。内容は原作漫画から選ばれた4つのエピソードを映像化したものです。エンディングテーマはジェームス・ブラウンが担当しています。

評価

『マッド★ブル34』は、過激な暴力描写や性描写を含む作品であり、賛否両論ありますが、その型破りなストーリー展開と、魅力的なキャラクターたちによって、多くのファンを獲得しました。ニューヨークの裏社会を舞台にしたクライムアクションとして、現在でもカルト的な人気を誇っています。

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