マッドリブ

マッドリブ (Madlib) - 音楽の探求者

マッドリブ（本名 Otis Jackson, Jr.、1973年10月24日生まれ）は、アメリカのアンダーグラウンドヒップホップシーンで非常に重要なプロデューサーでありミュージシャンです。カリフォルニア州オークランドで生まれ、幼少期を同州のオックスナードで過ごしました。音楽一家に育ったことが、彼の音楽的な才能を育む土壌となりました。

初期の活動と成功

1993年、20歳の時にザ・アルカホリクスのアルバム『21 & Over』のプロデュースを手掛け、プロとしてのキャリアをスタートさせました。1999年には、ロサンゼルスを拠点とするインディーレーベル、ストーンズ・スロウ・レコーズとの契約を機に、ルートパックのアルバム『Soundpieces: Da Antidote』をプロデュースし、一躍脚光を浴びる存在となりました。

多彩なプロジェクトと音楽性

2000年には、カジモト名義でアルバム『The Unseen』をリリースし、その独創的なサウンドで注目を集めました。ヘリウムガスで加工された特徴的なラップスタイルは、従来のヒップホップの枠にとらわれない、強烈な個性を放っています。マッドリブは、カジモト以外にも、イエスタデイズ・ニュー・クインテット、DJレルズ、ヤング・ジャズ・レベルズなど、様々なプロジェクトごとに名義を使い分け、幅広い音楽性を表現しています。

ブルーノートへの挑戦

2003年、マッドリブは名門ジャズレーベル、ブルーノート・レコードから全音源を託され、リミックスアルバム『Shades Of Blue』を制作しました。アンドリュー・ヒル、ボビー・ハッチャーソン、ホレス・シルヴァー、ウェイン・ショーター、ハービー・ハンコックなど、新旧のジャズミュージシャンの音源を再構築し、新たなブルーノート・サウンドを創り上げました。

コラボレーション

2003年には、J・ディラとのユニット、ジェイリブとしてアルバム『Champion Sound』を、MFドゥームとのユニット、マッドヴィリアンとしてアルバム『Madvillainy』を発表しました。マッドヴィリアンは、その後も断続的に活動を続けています。Freddie Gibbsやタリブ・クウェリなど、数々のアーティストとのコラボレーションも行っています。

レーベル設立と音楽の発信

2010年、マッドリブは自身のレーベル「Madlib Invazion」を設立し、アルバムシリーズ〈Madlib Medicine Show〉をスタートさせました。同シリーズ終了後も、自身の作品や様々なアーティストの作品をリリースし続けています。

南カリフォルニア山火事

2025年1月に発生した南カリフォルニアの山火事により、自宅と長年かけて収集した音楽、機材を失うという悲劇に見舞われました。

日本との繋がり

マッドリブは日本通としても知られており、京都の嵐山がお気に入りの場所であると語っています。

人柄

マクドナルドのドライブスルーで注文する際も照れてしまうほどのシャイな性格で、カジモトとしてラップをする際に声を高くするのは、自分の声が好きではないからだそうです。

マッドリブは、常に新しい音楽の可能性を追求し、ジャンルや世代を超えて多くの音楽ファンに影響を与え続けている、真の音楽家です。

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