マティア

聖マティア：十二使徒の一人

聖マティア（またはマッテヤ、マチア）は、新約聖書『使徒行伝』に登場するイエスの使徒の一人です。彼は、イスカリオテのユダが裏切りによって使徒の地位を失った後、その欠員を補充するために選ばれました。しかし、彼の名前が新約聖書に登場するのはこの時のみで、その後の具体的な活動はほとんど記述されていません。

使徒の選出

イエスの昇天後、エルサレムに戻った使徒たちは、ペトロを中心に、イスカリオテのユダの後任を選ぶことを決定します。彼らが十二使徒を完全なものとみなしたのは、イスラエルの十二部族に対応するという象徴的な意味合いがあったと考えられます。使徒たちは、洗礼者ヨハネによる洗礼からイエスの昇天まで、イエスと共に過ごした者の中から新たな使徒を選ぶことにしました。

候補者として名前が挙がったのは、バルサバまたはユストとも呼ばれたヨセフと、マティアの二人でした。使徒たちは祈りを捧げ、くじ引きを行い、その結果、マティアが選ばれ、十二使徒の一員に加えられました。

その後のマティア

残念ながら、マティアの名前は、この選出の場面以降、新約聖書から姿を消してしまいます。彼のその後の生涯や活動についての記録はほとんど残されていません。伝承によれば、彼はエルサレムでユダヤ人によって石打ちの刑に処されたり、斬首されたりしたと伝えられていますが、これらの情報は伝説の域を出ないものです。

マティアは、使徒としての重要な役割を果たしたにもかかわらず、その後の記録が乏しいため、多くの謎に包まれた人物です。しかし、彼の選出は、初代教会の重要な出来事であり、使徒継承の象徴として捉えられています。

マティアに関連する教会

日本には、使徒マティアを冠した教会がいくつか存在します。その一つに、前橋聖マッテア教会があります。これは、マティアの信仰を受け継ぎ、その名を冠した教会が、現代においても存在することを示す例です。

関連事項

聖書の登場人物の一覧
ティーホン (モスクワ総主教) - 選立にあたって、選挙の後、くじ引きが行われた（マティアの先例にならった選出方法）。

まとめ

聖マティアは、十二使徒の一人として選ばれたものの、その後の記録がほとんど残されていない謎めいた人物です。しかし、彼の選出は、初代教会の重要な出来事であり、使徒の継承という点で大きな意義を持っています。彼の生涯は伝説に包まれていますが、彼の存在は、キリスト教の歴史において重要な意味を持っています。

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