マニクール・サーキット

シルキュイ・ド・ヌヴェール・マニ＝クール

シルキュイ・ド・ヌヴェール・マニ＝クール（Circuit de Nevers Magny-Cours）は、フランスの中部、ヌヴェールから約13km南にあるマニクール村に位置するモータースポーツ専用サーキットです。このサーキットは全長4411mで、1991年から2008年までF1フランスグランプリが行われていました。

サーキットの歴史と背景

このサーキットは、リジェの創始者であるギ・リジェの故郷であり、彼のファクトリーも近くに存在しました。フランスの当時の大統領であるミッテランがギ・リジェと親しい関係にあったため、サーキットへのグランプリの誘致には政治的な力が働いたのではないかとの噂があります。

コースは全体的にフラットで、アスファルトの色が黒っぽく、これによりタイヤの摩耗が大きいのが特徴です。タイヤ交換が可能なF1レギュレーションでは、燃料がラップタイムに与える影響を上回るほどでした。そのため、コース上でのオーバーテイクは難しく、順位の変動が少なくなることが多いレース展開が一般的でした。

2003年には最終コーナー周辺が改修され、ピットでのロスタイムが減少しましたが、サーキットのアクセスの悪さや宿泊施設の不足から、フランスGPの開催が数回中止の危機にさらされました。その一方で、代替地の誘致も困難であったため、最終的には2008年にフランス自動車連盟（FFSA）が開催費用の高さを理由に、2009年度の開催を中止しました。

F1グランプリでの成果

このサーキットは、ミハエル・シューマッハにとって特別な場所であり、彼はここでF1キャリア中に8勝を挙げています。特に2002年には、F1史上最速の17戦中11戦目でドライバーズ・チャンピオンを獲得しました。また、2004年には4回のピットストップ作戦を用いてフェルナンド・アロンソに勝利を収めるなど、注目のレースもありました。

自転車競技との関連

2014年には、自転車ロードレースのパリ〜ニース大会で第3ステージのフィニッシュ地点としても使用されました。この際は最終コーナーから逆走する形でコースを一周するレイアウトが採用され、表彰式ではサーキットの表彰台も活用されました。

コースレイアウト

コースの始まりは短いホームストレートで、スピードを保ちながら1・2コーナーへ進みます。続いて右回りの長い高速ロングコーナー、エストリルを通過し、次は緩やかに右にカーブした長いバックストレートへ向かいます。このストレートの終わりには、最大のパッシングポイントでもあるアデレードヘアピンが待っています。

ここではギアを1速に落とし、ハードブレーキングが必要となりますが、エストリルでの乱気流が影響し、オーバーテイクは容易ではありません。その後、ヘアピンを立ち上がり、反対方向に再びストレートが続きます。さらに、高速シケインのニュルブルクリンクを通過し、左コーナーの180度ターンへと進みます。

コースは再び逆方向に向かい、高速シケインのイモラを通過。ここは入口が下り、出口が上りの設定になっています。最終セクションでは、アプローチ部分が延長され、鋭角な右ターンの形に改修されたリセを終えると、ホームストレートに戻ります。

ピットレーンは狭く、レース中には各車が同時にピットインすることで接触の危険性が高まる場面も見られます。このように、マニ＝クールは歴史と興奮に富んだサーキットとして、多くのファンに愛されてきました。

もう一度検索