マネーフットボール

『マネーフットボール』は、能田達規による日本のサッカー漫画で、『週刊漫画TIMES』（芳文社）にて2015年から2016年まで連載されました。この作品は、サッカークラブを取り巻く金銭的な問題にスポットを当てた点が特徴です。

概要

物語は、主人公である梶本洋平が所属するJ2リーグのクラブ「愛媛イーカッスル」を中心に展開されます。梶本自身の年俸の話から始まり、クラブ経営における資金繰り、移籍金の交渉、地方クラブならではの運営資金不足など、サッカー界のリアルな側面が描かれています。作者の能田達規の出身地である愛媛県を舞台とし、道後温泉本館や松山城など、地元の風景も作中に登場します。

作品の打ち切り騒動も話題となりました。版元から売れ行き不振を理由に打ち切りが通達されましたが、作者自らが単行本の購入を呼びかけ、ファンの支援によって打ち切りを回避するという異例の事態となりました。この経験を通じて、能田は「J2の貧乏クラブ（愛媛FC）を長年応援してきたおかげで格好悪くても恥ずかしくても生き延びなきゃダメだと諦めない大切さを学びました」と語っています。

単行本には、福西崇史、齋藤学、足立梨花、槙野智章、佐藤寿人、河原和寿、森脇良太といった著名人が推薦文を寄せています。

ストーリー

J2リーグの「愛媛イーカッスル」に所属する梶本洋平は、J1の強豪クラブ「浦和レッドスター」への復帰を目指しています。しかし、新監督である大月雅史が掲げる「サッカーデータ革命」の下、梶本は苦戦を強いられます。シーズンが開幕し、右サイドバックのポジションを獲得した梶本は、正確なロングスローを武器に、横浜からレンタル移籍してきたドリブラー・佐倉勇二らと共にリーグ戦に挑みます。愛媛は限られた予算の中、データサッカーを浸透させ、チーム力を上げていきますが、資金力のあるクラブとの対戦や、選手の引き抜きなど、厳しい現実に直面します。

登場人物

梶本洋平（カジ）: 主人公。DF（右サイドバック）。浦和レッドスターからのレンタル移籍で愛媛に所属。浦和に復帰した同期の天宮にライバル心を燃やしています。
大月雅史: 愛媛イーカッスルの新監督。データ分析を重視し、チーム改革を目指します。
佐倉勇二: MF（攻撃的MF）。横浜Mセイラーズからレンタル移籍。将来を嘱望されるドリブラーで、「愛媛のメッシ」とも呼ばれます。
船井誠: GK。ベテランの控えキーパーで、カジの相談相手。
外村健: DF（左サイドバック）。かつて愛媛に在籍し、仙台へ移籍。その後、愛媛に復帰。
島家: 愛媛イーカッスルの強化部長。チームのN1昇格に情熱を燃やしています。
天宮アキラ: 浦和レッドスター所属のMF。カジの同期で、エリート選手。
池田秀和: ライラック札幌所属のFW。かつて愛媛に在籍し、得点を量産しました。
北島優香: N's Goalのライター兼カメラマン。愛媛の動向を追い続けます。
中川結衣: 看護師。カジと交流を深め、後にプロポーズされます。
* カルロス・バストス: パンサー大阪所属のFW。ウルグアイ代表のスター選手で、高額年俸で大阪に加入。

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