マヘンドラ・ビール・ビクラム・シャハ

マヘンドラ・ビール・ビクラム・シャハ・デーブ

マヘンドラ・ビール・ビクラム・シャハ・デーブ（1920年6月11日 - 1972年1月31日）は、ネパール王国の第9代君主として知られています。彼は1955年から1972年まで在位し、ネパールの現代史において重要な役割を果たしました。彼の父は第8代君主のトリブバン・ビール・ビクラム・シャハであり、マヘンドラはその長男として生まれました。

生い立ちと亡命

1920年に生まれたマヘンドラは、若い頃から政治的な影響を受けて育ちました。1950年、トリブバン王はラナ家の圧政から逃れるため、マヘンドラと共にインドに亡命しました。この亡命中、マヘンドラの息子ギャネンドラが一時的にラナ家によって王として擁立されましたが、翌年、父王とともにインドから帰国することに成功しました。

王位の継承と憲法施行

1955年3月13日、父のトリブバンが崩御したことで、マヘンドラは王位を継承しました。即位後、彼は国家の発展に心を砕き、1959年には憲法を制定し、ネパールにおける初の総選挙を実施しました。この選挙では、ネパール会議派が圧倒的な票を集め、ビシュエシュワル・プラサード・コイララ内閣が誕生しました。しかし、国王と改革を進める内閣との間で次第に対立が深まりました。

クーデターと新憲法の制定

1960年、マヘンドラはこの対立を受けてクーデターを実行しました。彼は憲法を廃止し、内閣および議会を解散させ、数多くの政党指導者を逮捕しました。これにより、国王が指導する新しい政府が樹立され、1962年には政党を禁止する新しい憲法を公布しました。この憲法により、マヘンドラは首相の任免権を持つこととなり、国政のすべてが国王の手に委ねられました。以降、ネパールは1990年まで長い間間接民主制を経て国家を運営することとなりました。

外交政策

マヘンドラは外交においても積極的でした。1956年にはスイス、1957年にはエジプトやスリランカと国交を樹立し、インドを牽制するためにパキスタンとも外交関係を結びました。また、1955年には中国とも外交を開き、1961年には中国との国境に関する条約を締結しました。これらの外交政策は、ネパールの国際的な地位を高める一助となりました。

多様な功績と死去

マヘンドラの治世中、彼は様々な改革を試みましたが、国政の権力を国家元首として一手に握った結果、内部からの反発をも受けることとなりました。1972年1月31日、彼はバラトプルで崩御し、その死去は国にとっての大きな転換点となりました。彼の後、次代のビレンドラ国王は民主化の動きを推進し、国は新たな時代へと進むことになります。彼の治世における決断や指導は、ネパールの歴史において重要な影響を与え続けています。

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