マモストン・カンリ

マモストン・カンリの概要

マモストン・カンリ（Mamostong Kangri）はインド領ラダックに位置する美しい高峰であり、カラコルム山脈の一部を成しています。この山は、K35として知られる大三角測量において測量された重要な山であり、シアチェン氷河の末端から約30kmの地点に位置しています。その標高は非常に高く、500m以上のプロミネンスを誇ります。これにより、世界の山々の中で48位に位置づけられています。

周辺の氷河は、南チョン・クムダン氷河やキチク・クムダン氷河、マモストン氷河、南テロン氷河など、いずれもこの山の斜面から発しています。厳しい自然環境と壮大な景観が共存するこの地域は、多くの登山家や冒険者にとって魅力的な目的地となっています。

名称の由来と伝説

「カンリ（Kangri）」という言葉は、カングラ谷に関連し、「マモストン」という名称はチュルク語族の方言に由来します。この名称は、「マモ（mamo）」が「霧」を、「ストン（stong）」が「千」を意味し、常に霧に包まれたこの山の特性を示しています。

伝説によると、かつて大規模な隊商がこの山を乗り越えようとしたところ、全員が行方不明になったと言われています。この出来事から、山は「千人の悪魔の山」と呼ばれるようになりました。こうした伝説が、訪れる者に神秘的な印象を与えています。

登山の歴史

マモストン・カンリは、その位置の奥深さと政治的・軍事的な不安定さにより、これまで訪れることが難しい山とされています。初めてこの山に挑んだ外国人の遠征は、1907年にアーサー・ニーヴとD・G・オリヴァーによって行われましたが、その後長らく外国人の立ち入りは禁止されていました。

初登頂の成功

この山の初登頂は1984年に実現しました。その際にはインドと日本の合同隊が取り組み、マモストン氷河の麓にベースキャンプを設けました。複雑なルートを経て、9月13日に北東稜線からの登頂を成功させたのは、山田昇、吉田憲司、R・シャルマ、P・ダス、H・チョーハンでした。続けて、翌日には日本側の隊長である尾形好雄、新郷信廣、岩崎洋とインドの隊員が頂上に立ちました。このように、最終的には13名中医師以外全員が山頂に到達しました。

続く登頂の記録

その後も、この山はインドの登山部隊によって何度も登頂されており、2007年にはフランス隊も成功を収めました。新たに開拓されたルートとして、タングマン氷河から東稜に至る経路があります。これにより、さらなる登山の可能性が広がり、多くの冒険者にとって挑戦の場となっています。

参考文献

• - Jerzy Wala, Orographical Sketch Map of the Karakoram, Swiss Foundation for Alpine Research, Zurich, 1990.
• - Jill Neate, High Asia: an illustrated history of the 7,000 metre peaks, The Mountaineers, 1989.

このように、マモストン・カンリは自然の壮麗さと人々の冒険心を掻き立てる存在であり、今後も多くの人々に夢と挑戦の場を提供し続けるでしょう。

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