マリア・アンナ・フォン・アンハルト＝デッサウ

マリア・アンナ・フォン・アンハルト＝デッサウ：美貌と才能に彩られた王女の生涯

マリア・アンナ・フォン・アンハルト＝デッサウ（1837年9月14日 - 1906年9月12日）は、アンハルト公レオポルト4世とその妃フリーデリケの間に生まれた王女です。彼女はプロイセン王子フリードリヒ・カールの妃として知られています。

生い立ちと家族

マリア・アンナは、アンハルト＝デッサウ公（後のアンハルト公）レオポルト4世と、プロイセン王女フリーデリケの末娘としてデッサウで誕生しました。兄にはアンハルト公フリードリヒ1世、姉にはザクセン＝アルテンブルク公エルンスト1世妃アグネスがいます。彼女の家系は、父方、母方ともに由緒あるものでした。

結婚と苦悩

1854年、マリア・アンナは母方の又従兄にあたるプロイセン王子フリードリヒ・カールと結婚しました。しかし、5人の子供をもうけたものの、結婚生活は不幸なものでした。夫は、彼女が男子を産まないことに不満を抱き、暴力を振るうこともあったと言われています。夫妻が別居しなかったのは、ヴィルヘルム1世の懇願があったからに過ぎませんでした。

美貌と才能、そして内気な性格

マリア・アンナは、同時代の人々から「この世代で最も美しい女性の1人」と評されていました。音楽と絵画に才能を発揮し、社交界デビュー前の若い女性たちにアドバイスを与えることもありました。しかし、彼女は耳がほとんど聞こえなかったため、人前では内気で控えめな性格でした。友人であったラジヴィウ公妃カタジナは、「彼女が仲間内でいる時はいつでも、極度に内気で気おくれしていた」と語っています。一方で、「2人きりになると周囲にあった多くの会話の雑音に邪魔されず、とても機知に富んで魅力的になった」とも述べています。

後年

1885年に夫が亡くなると、マリア・アンナはベルリンを離れ、イタリアへと移り住みました。主にナポリ、ローマ、フィレンツェで過ごし、その後、侍従のヴァーゲンハイム大尉と密かに再婚したという噂も流れました。1889年には、唯一の息子であるフリードリヒ・レオポルトが、皇帝ヴィルヘルム2世の妻アウグステ・ヴィクトリア皇后の妹、ルイーゼ・ゾフィーと結婚しました。

マリア・アンナは1906年9月12日、フリードリヒローダで68歳で亡くなりました。

子女

夫フリードリヒ・カールとの間には、1男4女がいました。

マリー（1855年 - 1888年） - オランダ王子ヘンドリックと結婚後、ザクセン＝アルテンブルク公子アルベルトと再婚
エリーザベト・アンナ（1857年 - 1895年） - オルデンブルク大公世子フリードリヒ・アウグストと結婚
アンナ・ヴィクトリア（1858年）
ルイーゼ・マルガレーテ（1860年 - 1917年） - イギリス王子・コノート＝ストラサーン公アーサーと結婚
* フリードリヒ・レオポルト（1865年 - 1931年） - アウグステンブルク公女ルイーゼ・ゾフィーと結婚

マリア・アンナの生涯は、王族としての華やかな側面と、女性としての苦悩が入り混じったものでした。彼女の美貌と才能は多くの人々を魅了しましたが、同時に、彼女は困難な結婚生活と、内気な性格に悩まされました。しかし、彼女は自身の才能を活かし、晩年はイタリアで穏やかな生活を送りました。彼女の人生は、一人の女性としての強さと脆さを同時に示しています。

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