マリア・エリーザベト・フォン・バイエルン

マリア・エリーザベト・フォン・バイエルン：激動の時代を生きた王女

マリア・エリーザベト・フォン・バイエルン（Maria Elisabeth Prinzessin von Bayern, 1914年9月4日 - 2011年5月13日）は、20世紀の激動の時代を生きたバイエルン王女です。バイエルン王ルートヴィヒ3世の孫娘として生まれ、ブラジル皇帝家家長ペドロ・エンリケとの結婚を通じて、名目上のブラジル皇后となりました。

生涯

1914年、マリア・エリーザベトはニンフェンブルク宮殿で、バイエルン王子フランツとその妻イザベラの長女として誕生しました。全名はマリア・エリーザベト・フランツィスカ・ヨーゼファ・テレーゼ。幼少期は、ドイツ革命後の混乱を避けて、祖母マリア・テレジア王妃が所有するハンガリーのシャールヴァール城で過ごしました。両親の教育方針により、家庭教師による教育の他、芸術や絵画制作を学ぶために美術学校にも通いました。

1937年8月19日、マリア・エリーザベトはニンフェンブルク宮殿で、ヴァソウラス系ブラジル皇帝家家長ペドロ・エンリケと結婚しました。第二次世界大戦勃発前はフランスで生活していましたが、戦後の1945年にブラジルへ移住し、1965年からはヴァソウラスに居を構えました。1981年に夫ペドロ・エンリケと死別し、2011年、96歳でリオデジャネイロにて生涯を閉じました。

子女

マリア・エリーザベトは、夫ペドロ・エンリケとの間に12人の子供をもうけました。その子孫は、ブラジル帝室の血を引く者として、現在も社会に影響を与えています。

ルイス・ガスタン（1938 - 2022）：ブラジル帝位請求者。
エウデス（1939 - 2020）：1966年に継承権を放棄。
ベルトランド（1941年 - ）
イザベル・マリア（1944 - 2017）
ペドロ・デ・アルカンタラ・エンリケ（1945年 - ）：1978年に継承権を放棄。
フェルナンド・ディニス（1948年 - ）：1975年に継承権を放棄。
アントニオ・ジョアン（1950 - 2024）：リーニュ公女クリスティーヌと結婚。
エレオノーラ（1953年 - ）：リーニュ公ミシェルと結婚。
フランシスコ（1955年 - ）：1980年に継承権を放棄。
アルベルト（1957年 - ）：1982年に継承権を放棄。
マリア・テレサ（1959年 - ）：1995年に継承権を放棄。
マリア・ガブリエラ（1959年 - ）：2003年に継承権を放棄。

参考文献

Imperial House of Brazil (Portuguese): http://www.brasilimperial.org.br/
thePeerage.com - Maria Elisabeth Prinzessin von Bayern: http://www.thepeerage.com/p11241.htm#i112404
* Genealogics - Leo van de Pas - Prinzessin Maria von Bayern: http://www.genealogics.org/getperson.php?personID=I00020068&tree=LEO

マリア・エリーザベト・フォン・バイエルンの生涯は、激動の20世紀を背景に、ヨーロッパの王族が辿った運命と、ブラジル帝室との繋がりを示す貴重な事例と言えるでしょう。

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