マリア・ダス・ネヴェス・デ・ブラガンサ

マリア・ダス・ネヴェス・デ・ブラガンサ（1852年8月5日 - 1941年2月15日）は、ポルトガル廃王ミゲル1世とレーヴェンシュタイン＝ヴェルトハイム＝ローゼンベルク侯女アーデルハイトの間に生まれた長女です。彼女は、スペインのカルリスタ王位請求者であり、フランスのレジティミスト王位請求者でもあったサン・ハイメ公アルフォンソ・カルロスの妻として知られています。スペイン語名はマリア・デ・ラス・ニエベスです。

生涯

マリア・ダス・ネヴェスは、亡命生活を送るミゲル1世夫妻の最初の子供として生まれました。弟のミゲルが誕生するまでは、ミゲリスタ派（ミゲル1世を支持する勢力）によってポルトガル王太子（Princesa Real de Portugal）とされていました。これは、彼女がポルトガル王位継承の有力な候補者であったことを意味します。

1871年4月26日、マリア・ダス・ネヴェスはクラインホイバッハで、父の従弟にあたるサン・ハイメ公アルフォンソ・カルロスと結婚しました。サン・ハイメ公は、カルリスタ王位請求者としてスペイン王位を主張しており、同時にフランスのレジティミスト王位請求者でもありました。この結婚により、マリア・ダス・ネヴェスはカルリスタ派のスペイン王妃、そしてレジティミストのフランス王妃という二つの称号を得ることになりました。

しかし、彼女の王妃としての道のりは決して平坦ではありませんでした。カルリスタ運動は、スペインにおいて内戦や政治的混乱を引き起こしており、サン・ハイメ公自身もその中心人物として活動していました。マリア・ダス・ネヴェスも、夫の活動を支えながら、カルリスタ派の象徴としての役割を担いました。

1874年、マリア・ダス・ネヴェスは男の子を出産しましたが、残念ながらその息子は生後数時間で亡くなってしまいました。サン・ハイメ公爵夫妻はその後、子供を授かることはありませんでした。この出来事は、夫妻にとって大きな悲しみであったことは想像に難くありません。

サン・ハイメ公アルフォンソ・カルロスは、カルリスタ王位請求者として重要な役割を果たしましたが、後継者を指名することなく1936年に亡くなりました。彼の死後、カルリスタ王位請求権は、フランシスコ・ハビエル・デ・ボルボーン＝パルマに移りました。

マリア・ダス・ネヴェスは、夫の死後も長く生き、1941年に88歳で亡くなりました。彼女の生涯は、ポルトガルの王女として生まれ、スペインとフランスの王妃という称号を得ながらも、政治的な動乱の中で翻弄されたものでした。しかし、彼女は常に自身の立場を理解し、カルリスタ運動を支え続けた強い女性として記憶されています。

関連項目

サン・ハイメ公
カルリスタ王位請求者の一覧

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