マリア・ブッテルスカヤ

マリア・ヴィークトロヴナ・ブッテルスカヤの略歴と業績

マリア・ヴィークトロヴナ・ブッテルスカヤ（1972年6月28日生まれ）は、ロシアのモスクワで生まれ育ったフィギュアスケート選手です。彼女は1998年の長野オリンピック、2002年のソルトレイクシティオリンピックにおいて女子シングルのロシア代表として出場したほか、1999年には世界選手権で優勝を果たしました。彼女の名前は日本では「マリア・ブッテルスカヤ」として知られていますが、ロシア語では「マリーヤ・ヴィークタラヴナ・ブトィールスカヤ」と発音されます。愛称は「マーシャ」で、現在もモスクワに在住です。

現役時代の魅力

マリアはその美しさとスタイルで高い人気を誇り、日本のメディアからは「銀盤のセクシークイーン」と呼ばれました。また、富士フイルムのテレビコマーシャルにも出演し、その存在感を示しました。彼女は独自の振り付けを行い、衣装も自らデザインするなど、技術面でも際立った才能を持つ選手でした。特に、技と技の繋ぎにおいてアイデアあふれる動きを披露し、女性らしさを強調した演技スタイルが高く評価されました。

彼女は自分の演技を「氷上の一人の女」と表現し、女性らしさを大事にしていました。ジャンプに対しては決して得意ではありませんでしたが、「根性降り」と称される耐え難い着氷を見せることで、強い精神力を示しました。実際、フリップとルッツを確実に区別する滑りも披露しており、競技者としてのスキルを持ち合わせていました。また、演技中の緊張を和らげるためにレモンを口に含むという独特の習慣がありました。

心意気と競技に対するこだわり

競技への取り組みは非常にストイックで、厳しい練習を重ねていました。大会では、演技後に満足できない結果が出た場合、得点発表前にキスアンドクライエリアを離れる姿がしばしば見られました。これは観客へのアピールよりも自らの演技に対するこだわりを示すものでした。長野オリンピックとソルトレイクシティオリンピックでは、演技中にミスを犯し、結果を確認せずに席を立つ姿が印象に残っています。

結婚と家庭

2006年にはNHLのダラス・スターズに所属していたアイスホッケー選手、バディム・ホミツキーと結婚しました。2007年には長男、2009年には長女を出産し、家族との時間も大切にしているようです。

競技の軌跡

1991-92シーズンにはソビエト連邦フィギュアスケート選手権で2位に輝きましたが、その後はソビエト連邦の崩壊による困難を経験しました。厳しい環境の中でも、マリアは持ち前の意思で安定した成績を収め続け、NHK杯では複数回の優勝を果たしました。オリンピックでも4位、6位という成績を残しながらもメダル獲得には至りませんでしたが、1998-1999シーズンには26歳での世界選手権優勝を成し遂げ、アマチュア競技者の最高齢優勝の記録を持つに至ります。演技後のガッツポーズと晴れやかな笑顔は、アマチュア時代の彼女にしか見られない瞬間です。

2002年のソルトレイクシティオリンピックの予選では、アクシデントにより緊張が影響し、思うような演技ができずに帰国してしまいました。この経験から、彼女は早々にアマチュア競技生活を終えることとなりました。その後、2006年からはコーチ業に転向し、若い選手たちの指導に当たっています。

結論

マリア・ブッテルスカヤは、フィギュアスケート界において美しさと技術力を兼ね備えた選手として長い歴史に名を刻んでいます。彼女の業績と姿勢は、今後も多くの後進選手に影響を与え続けるでしょう。

もう一度検索