マリア・レッサ

マリア・レッサ - フィリピンのジャーナリスト

マリア・レッサは1963年10月2日に生まれ、フィリピンで著名なジャーナリストとして知られています。ジャーナリズムのキャリアの中で、彼女はCNNのマニラ支局およびジャカルタ支局の設立と運営に重要な役割を果たしました。レッサは、フィリピンのメディアの発展に大いに寄与し、その後も積極的に報道活動を続けています。

2012年には、ニュースサイト『ラップラー』を仲間と共に創設しました。このサイトは、フィリピン国内の現状を正確に報道し、政府の行動を透明化することを目指しています。レッサは特にドゥテルテ政権の強権的な施策に対して鋭い批判を展開し、調査報道を通じて国民に重要な情報を提供し続けました。

2021年、彼女は国際的な評価を受け、ノーベル平和賞を受賞しました。この賞は、彼女が報道の自由を守るために尽力した結果としてのものであり、同じ年にはユネスコが授与するギレルモ・カノ世界報道自由賞も受賞しています。これらの受賞は、レッサの活動がいかに世界的に重要であるかを物語っています。

レッサはまた、2023年7月にコロンビア大学の国際公共政策大学院教授に就任し、次世代のジャーナリストや政策立案者に対する教育にも力を注いでいます。

彼女は当初、ソーシャルメディアの可能性に期待を寄せていました。権力を監視し、民主主義を促進するツールとしての役割を見込んでいたものの、後になるとその影響について懸念を抱くようになりました。特に、SNSが陰謀論の拡散や社会的分断を助長する手段となっていることに対して、警鐘を鳴らしています。

実際、レッサ自身もフィリピン国内でラップラーを運営する中でドゥテルテ政権の反感を買い、逮捕される危険に直面しました。これは彼女の報道が政府にとって脅威となっていたことを示しています。

また、レッサの著書『偽情報と独裁者 SNS時代の危機に立ち向かう』は、2023年4月に河出書房新社から出版されており、SNSがもたらす現代の課題に対する提言が詰まっています。この書籍を通じて、彼女は読者に対し情報の重要性や、権威主義に対抗するための視点を提供しています。

彼女は自身の活動を通じて、報道の自由や言論の自由がどれほど脆弱であるか、そしてそれを守るためにどれほど努力が必要かを訴え続けています。マリア・レッサの活動は、未来のジャーナリストや民主主義を支持する人々にとっての道しるべとなることでしょう。

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