マリア・ヴィクトリア・フォン・アーレンベルク

マリー・ヴィクトワール・ポーリーヌ・ダランベール（1714年 - 1793年）は、ドイツ＝ベルギー系のアーレンベルク公爵家の一員として生まれ、後にバーデン＝バーデン辺境伯アウグスト・ゲオルクの妻となった女性です。彼女の生涯は、貴族としての義務と慈善活動への献身によって特徴づけられます。

生い立ちと結婚

マリー・ヴィクトワールは、アーレンベルク公レオポルド・フィリップと、イタリア貴族出身のマリーア・フランチェスカ・ピニャテッリの長女として誕生しました。母方の曽祖父には、スペイン領ネーデルラント総督を務めたサヴォーナ侯爵がいます。幼少期には、父親の主君の娘である後の皇后マリア・テレジアの遊び相手を務め、厳格なカトリック教育を受けながら、芸術や音楽に関する知識を深めました。

1735年、マリー・ヴィクトワールはバーデン＝バーデン辺境伯ルートヴィヒ・ゲオルクの弟で軍人であったアウグスト・ゲオルクと結婚しました。しかし、夫婦の間に子供は恵まれませんでした。

辺境伯夫人としての活動と晩年

1761年に夫が辺境伯位を継承すると、マリー・ヴィクトワールは辺境伯夫人として積極的に公務に取り組みました。彼女はラシュタットに女子聖歌隊を組織するなど、文化的な活動を支援しました。1771年に夫が亡くなると、バーデン＝バーデン辺境伯家は断絶し、遠縁にあたるプロテスタントのバーデン＝ドゥルラハ辺境伯カール・フリードリヒがバーデンを統合しました。

夫の死後、マリー・ヴィクトワールはオッタースヴァイアーに移り住み、この地に女子修道院とその付属学校を建設するなど、慈善活動に身を捧げる余生を送りました。彼女は1793年にストラスブールで亡くなり、遺骸はバーデン＝バーデンの教区教会にある夫の墓の隣に埋葬されました。

マリー・ヴィクトワール・ポーリーヌ・ダランベールは、激動の時代を生きながらも、その出自と信仰に基づき、社会貢献に尽力した女性として記憶されています。

もう一度検索