マリインスキー宮殿

マリインスキー宮殿

マリインスキー宮殿（ロシア語: Мариинcкий дворец）は、ロシアのサンクトペテルブルクに位置する壮麗な建築であり、同市の歴史的な象徴となっています。宮殿の名称は「マリアの宮殿」という意味で、英語では「Marie Palace」としても知られています。この宮殿は1839年から1844年にかけて建設され、設計を担当したのは宮廷建築家アンドレイ・シタケンシネイデルによるもので、最後の新古典主義様式の宮殿とされています。

宮殿の位置と歴史的背景

マリインスキー宮殿はイサーク広場の対面、聖イサアク大聖堂の南側にあり、モイカ川の対岸に位置しています。この地には元々、18世紀に設計された大邸宅があり、外国の要人を迎えるための迎賓館としての役割を果たしていました。その一例として、フランスの王族であるコンデ公が宿泊したことがあります。1825年から1839年の間には陸軍士官学校もこの場所に置かれ、多くの学生がここで学んでいました。その中には詩人のミハイル・レールモントフも含まれており、彼はここで2年間教育を受けました。

マリインスキー宮殿は、ロシア皇帝ニコライ1世が彼の娘マリア大公女の結婚に際して贈ったもので、特別な意味を持っています。建物のファザードは赤褐色のコリント式のオーダーを基本としていますが、17世紀のフランス・バロックやルネサンス様式の影響も見受けられ、各部屋の設計には歴史的な多様性が表れています。

政治的な役割

1884年にはマリインスキー宮殿はロシア帝国政府の管理下に置かれ、国家資産として利用されることになりました。その後、国家評議会の議事堂や大臣会議の場として機能しました。宮殿内の大ホールは1906年にレオン・ベノアにより設計され、当時の文化の中心として利用されましたが、同年には内務大臣ドミトリー・シピャーギンの暗殺事件の現場ともなりました。

1917年に起こったロシア革命では、臨時政府がここを国会議事堂として使用しました。続いての十月革命ではボリシェヴィキが権力をつかみ、その後はソビエト政権の行政機関や科学アカデミーなどがここに設置されました。

戦争と復興

第二次世界大戦中は、特にレニングラード包囲戦によりマリインスキー宮殿は大きな損傷を受けました。この戦闘中、宮殿は臨時の病院として使用され、厳しい砲撃を受けましたが、戦後に復旧され、再び重要な行政機関が置かれることになりました。1991年以降は、サンクトペテルブルク市議会がこの宮殿を本拠地として使用しています。

結論

マリインスキー宮殿は、その美しいデザインと多様な歴史的背景から、サンクトペテルブルクにおける重要な文化的・政治的シンボルとなっています。現在でも多くの観光客が訪れる場所として知られており、ロシアの歴史を感じることのできる特別な建築物です。

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