マリソル・マラレ

マリソル・マラレ

マリソル・マラレ（Marisol Malaret Contreras、1949年10月13日 - 2023年3月19日）は、プエルトリコを代表するモデル、テレビ司会者、そして編集者でした。1970年にプエルトリコ出身者として初めてミス・ユニバースの栄冠に輝き、その後のキャリアは多岐にわたりました。

生い立ちとキャリアの始まり

1949年10月13日、マリソル・マラレはサンフアンのサントゥルセ地区に生を受けました（ウトゥアド生まれとする説もあります）。幼い頃、1957年に両親を亡くし、彼女と兄弟はおばの愛情を受けて育ちました。プエルト・ヌエボへの移住を経て、Escuela Superior Gabriela Mistralで学び、Colegio La Mercedで初等教育を終えました。

彼女の美貌が注目されたのは、アルゼンチンの人気歌手サンドロ（Sandro）のレコーディングに参加した時のことです。プロデューサーのロランド・メネンデス（Rolando Menéndez）が彼女の魅力を見出し、モデルとしての道を勧めました。最初のポートレートは写真家のクリ・ディアス（Kuri Díaz）によって撮影されています。その後、プエルトリコ大学に進学し、秘書学を専攻して準学士号を取得。卒業後はInternational Telephone and Telegraph Company（ITT）に就職しました。

ページェントへの挑戦と栄光

Señorita Puerto Ricoへの参加は、彼女にとって容易な道のりではありませんでした。ITT社がコンテスト参加にかかる費用を全面的に支援してくれましたが、1970年にプエルト・ヌエボを襲った洪水により、決勝で着用する予定だったドレスを失うというアクシデントに見舞われました。このため、コンテストの数日前まで準備が滞っていましたが、幸運にも元Señorita Puerto Rico参加者で女優のイボンヌ・コル（Ivonne Coll）が衣装を貸してくれたことで出場が可能になりました。1970年6月21日、彼女は見事Señorita Puerto Ricoに選ばれ、ミス・ユニバース世界大会へプエルトリコ代表として出場する権利を獲得しました。

そして、そのわずか3週間後の1970年7月11日、フロリダ州で開催された第19回ミス・ユニバース世界大会で、マリソル・マラレは世界の頂点に立ちました。これはプエルトリコ代表が初めて獲得したミス・ユニバースのタイトルであり、同国の歴史に名を刻む快挙となりました。

多彩な活動

ミス・ユニバースとしての任期を終えた後も、彼女の人気は衰えることなく、プエルトリコで人気のテレビ司会者やラジオアナウンサーとして活躍の場を広げました。また、雑誌編集者としても手腕を発揮し、1992年には「Caras en el año 1992」誌を創刊し、2000年まで編集長を務めました。2000年代に入ると、チャンネル6の「Ética TV」やチャンネル40の「Frecuencia Ética」といった、市民の汚職との戦いを支援することを目的とした番組のプレゼンターとしても活動しました。

2017年3月16日には、プエルトリコの著名人の功績を称えるPaseo de la Fama de Puerto Ricoにその名前が刻まれました。

テレビ番組への出演も複数あります。

1971年: テレビドラマ「Mami」
1975年: テレビシリーズ「Festival de la canción OTI」（第4シーズン第1エピソード）- 本人役
1977年: テレビ特番「Miss Universe Pageant」- 審査員として出演
2001年: テレビ特番「Miss Universe 2001」- 本人役
* 2002年: テレビ特番「Miss Universe Pageant」- ミス・ユニバース1970として出演

私生活と晩年

私生活では3度の結婚歴があります。最初の夫はモデルのブッチ・ジェームズ（Butch James）、2番目の夫はミュージシャンのコーキー・ストローマン（Corky Stroman）で、彼との間に2子をもうけました。3番目の夫はキューバ出身の建築家フランク・キュエ（Frank Cué）でした。2018年5月には初孫が誕生し、喜びを迎えました。

マリソル・マラレは、2023年3月19日、73歳でその生涯を閉じました。プエルトリコに初のミス・ユニバースのタイトルをもたらし、その後もメディア界で多大な功績を残した彼女の存在は、多くの人々の記憶に刻まれています。

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