マリヤ・スタドニク

マリヤ・スタドニク：アゼルバイジャンの誇るレスリング女王

マリヤ・スタドニク（Mariya Stadnik、Марія Стадник）は、1988年6月3日生まれの、ウクライナ出身のアゼルバイジャンの女子レスリング選手です。48kg級を主戦場とし、オリンピックで4つのメダルを獲得するなど、輝かしい実績を誇ります。その卓越した技術と精神力で、アゼルバイジャンを代表するアスリートとして国内外で広く知られています。

生い立ちとアゼルバイジャンへの国籍変更

スタドニクは、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国（当時）のリヴィウで生まれました。2006年にはレスリングヨーロッパ選手権でウクライナ代表として優勝しましたが、ドーピング違反により失格。その後、2007年にアゼルバイジャンへ国籍を変更しました。現在もリヴィウに居住し、スパルタク体育スポーツ協会に所属しています。

国際舞台での活躍

アゼルバイジャン代表としてのデビュー後、スタドニクは国際舞台で目覚ましい活躍を見せます。2008年の北京オリンピックでは銅メダル、2012年のロンドンオリンピックでは銀メダルを獲得。その後も、2016年のリオデジャネイロオリンピックで銀メダル、2020年東京オリンピックで銅メダルと、4大会連続でメダルを獲得するという偉業を達成しました。

また、ヨーロッパ選手権では2008年、2009年、2011年と3度優勝。世界選手権でも2009年と2019年に優勝するなど、数々のタイトルを獲得しています。

家族との絆

スタドニクの夫は、同じくレスリング選手のアンドレイ・スタドニク。義姉（夫の妹）のヤナ・スタドニクもレスリング選手で、48kg級で活躍しています。家族ぐるみでレスリングに情熱を注いでいることが伺えます。2010年には男児を出産し、母としてもアスリートとしても活躍する姿は、多くの人々に勇気を与えています。

ライバルとの激闘

スタドニクの競技人生において、日本の登坂絵莉との対戦は特筆されます。2015年の世界選手権決勝では2-3で惜敗。2016年のリオデジャネイロオリンピック決勝でも対戦し、試合終盤までリードを保ちながらも、残り13秒で逆転負けを喫しました。しかし、これらの激闘は、スタドニクの不屈の精神を際立たせるものでした。

東京オリンピックと今後

2020年東京オリンピックでは、準決勝で日本の新星・須崎優衣にテクニカルフォールで敗れましたが、銅メダルを獲得。ベテランとしての意地を見せました。今後の活動についてはまだ明らかではありませんが、その実績と経験を活かし、後進の育成やレスリング界の発展に貢献することが期待されます。

マリヤ・スタドニクは、その卓越した技術と精神力で、アゼルバイジャンのみならず、世界のレスリング界に大きな足跡を残しました。彼女の今後の活躍から目が離せません。

主な実績

オリンピック
2008年北京オリンピック 銅メダル
2012年ロンドンオリンピック 銀メダル
2016年リオデジャネイロオリンピック 銀メダル
2020年東京オリンピック 銅メダル
世界選手権
2009年 優勝
2019年 優勝
ヨーロッパ選手権
2008年 優勝
2009年 優勝
2011年 優勝

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