マリーナ・アレクサーンドロヴァ

マリーナ・アレクサンドロヴァ：ハンガリーからロシアへ、そして世界へ羽ばたく女優の物語

マリーナ・アレクサンドロヴァは、1982年8月29日、ハンガリーでソ連軍将校の家庭に生まれました。父は中佐、母は教師という家庭環境で育ち、幼少期はハンガリーで過ごした後、ロシアの様々な地域を転々と移り住みます。この多様な経験が、彼女の女優としてのキャリアに影響を与えたことは想像に難くありません。

レニングラード（現サンクトペテルブルク）に移住後は、地元の学校で数学を学びながら、音楽学校ではハープを習得するなど、多才な一面も垣間見えます。演劇への情熱は早くから芽生え、1996年から演劇スタジオで活動を始めます。その後、ボリース・シチューキン記念演劇大学に進学し、本格的に演技の研鑽を積みました。

彼女のキャリアは順調に発展していきます。ロシア・ベラルーシ合作テレビシリーズ『最後の走行列車』への出演では、話題を呼びました。その後、モスクワの著名な劇団「ソヴレメーンニク」に所属し、舞台女優としても活躍します。数々の映画やテレビドラマで重要な役を演じ、ロシア国内のみならず、日本やフランスなど海外作品にも出演するなど、国際的な活躍もみせます。特に、ロシアのテレビドラマ『エカテリーナ』では、女帝エカテリーナ2世を演じ、高い評価を獲得しました。この作品は複数シーズンにわたって制作され、彼女の代表作の一つとなりました。

私生活では、俳優のアレクサンドル・ドモガロフとの交際を経て、同劇団の俳優と結婚、離婚を経験。その後、テレビ局ディレクターと再婚し、現在は息子と娘の2人の子供を持つ母親でもあります。家庭と仕事の両立をしながら、第一線で活躍を続ける姿は多くの女性にとって憧れの存在でしょう。

彼女の才能は高い評価を受け、数々の賞を受賞しています。2003年にはフランス映画祭で「最高のデビュー」にノミネートされ、2007年には青年賞「トリウームフ」を受賞。2016年にはロシア功労芸術家の称号を授与されるなど、その功績はロシア国内で広く認められています。

マリーナ・アレクサンドロヴァは、ハンガリーという異国の地で生まれ、ロシアという母国で才能を開花させ、世界へと羽ばたいた稀有な存在です。彼女の多様な経験と才能、そして女優としての揺るぎない信念が、多くの観客を魅了し続けていると言えるでしょう。今後、どのような作品で私たちを驚かせてくれるのか、彼女の今後の活躍から目が離せません。

主な出演作品

『雪解け』(La fonte des neiges)
『最後の走行列車』
『エカテリーナ』(全3シーズン)
『坂の上の雲』(NHK、日本)
その他多数のロシア映画、テレビドラマ

受賞歴

芸術テレビドラマ・フェスティバル「最高のデビュー」ノミネート
青年賞「トリウームフ」受賞
ロシア功労芸術家称号受賞

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