マリー＝アンヌ・ド・ポルテュガル

マリー＝アンヌ・ド・ポルテュガル（1861年7月13日 - 1942年7月31日）は、ルクセンブルク大公ギヨーム4世の妃であり、ポルトガルの廃王ミゲル1世と妃アーデルハイトの娘として、ドイツのブロンバッハで生まれました。ポルトガル語名はマリア・アナ・デ・ブラガンサです。

生涯

1893年6月21日、マリー＝アンヌはギヨーム4世と結婚しました。この結婚は、ルクセンブルクの宗教的転換点となりました。プロテスタントであったギヨーム4世は、マリー＝アンヌとの結婚を機にカトリックに改宗し、以後、ルクセンブルク大公家はカトリックとして教育されることになりました。

夫妻は6人の娘をもうけました。しかし、当時のルクセンブルクの継承法では男子のみが継承権を持つとされていました。そのため、継承法が改正され、女性君主の即位が認められることとなりました。

彼女達の子供は以下の通りです。

マリー＝アデライード（1894年 - 1924年） - ルクセンブルク女大公。1919年に退位後、修道女となりました。
シャルロット（1896年 - 1985年） - ルクセンブルク女大公。
イルダ（1897年 - 1979年） - シュヴァルツェンベルク公アドルフの妻。
アントニア（1899年 - 1954年） - バイエルン王太子ループレヒトの2度目の妃。
エリザベート（1901年 - 1950年） - トゥルン・ウント・タクシス侯子ルートヴィヒ・フィリップの妻。
ソフィー（1902年 - 1941年） - ザクセン王子エルンスト・ハインリヒの妻。

マリー＝アンヌは、夫ギヨーム4世が病床に伏していた1908年から1912年まで、そして1912年の約4ヶ月間にわたり摂政を務めました。この期間、彼女は国家の安定と運営に尽力しました。

第二次世界大戦中、ルクセンブルク全域がドイツ軍の占領下に置かれると、大公一家はイギリスへと亡命しました。その後、戦禍を避けるため、マリー＝アンヌはアメリカ合衆国へと渡りました。1942年、彼女はニューヨークで病のため死去しました。彼女の生涯は、激動の時代を生き抜いた王族の姿を今に伝えています。

もう一度検索