マルティン・デミチェリス

マルティン・デミチェリス：輝かしい選手キャリアと指導者への転身

マルティン・デミチェリスは、1980年12月20日、アルゼンチン・コルドバ州生まれの元サッカー選手で、現在はサッカー指導者として活躍しています。アルゼンチン代表として国際舞台を経験し、イタリア国籍も保有する彼は、センターバックとセンターハーフの両方をこなせる万能なディフェンダーとして知られていました。

華々しいキャリアの始まり：CAリーベル・プレート

デミチェリスのサッカー人生は、アルゼンチンの名門クラブCAリーベル・プレートで幕を開けました。ホルヘ・ソラーリ監督に見出され、若くしてトップチームデビューを果たします。しかし、すぐにレギュラーの座を掴むことができず、苦戦を強いられました。転機となったのはラモン・ディアス監督の下でのプレーです。ディアス監督の指導の下、デミチェリスは才能を開花させ、チームの中心選手として活躍。リーグ優勝を2度も経験するなど、CAリーベル・プレート黄金期の立役者となりました。

ヨーロッパ挑戦：バイエルン・ミュンヘンでの栄光と葛藤

2003年、デミチェリスはドイツの強豪バイエルン・ミュンヘンに移籍。クラブ史上初のアルゼンチン人選手として大きな注目を集めました。当初はセンターハーフとして起用されることが多かったものの、負傷などもあり、思うような活躍ができませんでした。しかし、フェリックス・マガト監督の下では先発に定着し、リーグとカップ戦の二冠を達成するなど、チームの成功に大きく貢献しました。

その後、オットマー・ヒッツフェルト監督との間で起用法を巡る対立が勃発。ヒッツフェルト監督がセンターハーフでの起用を望んだ一方、デミチェリス自身はセンターバックでのプレーを希望し、出場停止処分を受けるなど、波乱含みのシーズンを送ることとなります。

ルイ・ファン・ハール監督就任後は、若手の台頭もあり出場機会が減少。2009-10シーズンには、リーグとカップ戦の二冠、そしてUEFAチャンピオンズリーグ決勝進出と輝かしい成績を残すも、自身はリーグ戦で21試合の出場にとどまりました。このシーズン後、デミチェリスは移籍を決意します。

スペインでの活躍：マラガCFとアトレティコ・マドリード

2010年末、デミチェリスはリーベル時代の名将マヌエル・ペレグリーニ監督が率いるマラガCFに移籍。CBとしてレギュラーに定着し、チームの守備を支え、UEFAチャンピオンズリーグ出場権獲得に貢献しました。その後、アトレティコ・マドリードに短期間在籍した後、再びペレグリーニ監督の下、マンチェスター・シティFCへ移籍します。

イングランドでの挑戦とキャリアの終焉：マンチェスター・シティFCとRCDエスパニョール

マンチェスター・シティFCではプレミアリーグ優勝、リーグカップ優勝などを経験し、充実した日々を送りました。その後、RCDエスパニョールに移籍するも出場機会に恵まれず、古巣マラガCFへ復帰。2017年、愛着のあるリーベル・プレートかマラガでキャリアを終えたいという思いを胸に、現役を引退しました。

アルゼンチン代表としての活躍

デミチェリスは、アルゼンチン代表として国際試合にも数多く出場しました。2006年ワールドカップメンバーには選ばれませんでしたが、2010年ワールドカップにも出場し、ギリシャ戦で代表初得点を記録しています。

指導者としてのキャリア

現役引退後は、マラガCFのアシスタントコーチに就任。その後、バイエルン・ミュンヘンU-19チーム、バイエルン・ミュンヘンIIチームの監督を歴任し、指導者としての経験を積みました。2022年には、古巣リーベル・プレートの監督に就任し、新たな挑戦をスタートさせました。

数々のタイトルと功績

デミチェリスは、選手時代、リーベル・プレート、バイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・シティで数々のタイトルを獲得しました。彼の献身的なプレー、リーダーシップ、そして卓越した守備力は、所属チームに大きな貢献をもたらしました。選手として、そして指導者として、サッカー界に大きな足跡を残した彼の今後の活躍にも期待がかかります。

もう一度検索