マンガ★ゲット

マンガ★ゲットは、かつて日本で運営されていた、ウェブコミックの投稿・閲覧が可能なソーシャル・ネットワークサービスです。

概要

スパイシーソフト株式会社によって2008年8月に提供が開始されました。投稿された漫画を無料で読めるだけでなく、ユーザー同士がコメントなどを通じて交流できるコミュニティとしての側面も持っていました。スマートフォン、パソコン、そして従来の携帯電話といった多様なデバイスからの利用に対応しており、非会員でも作品を閲覧できましたが、「本棚」機能などの一部サービス利用には会員登録が必要でした。マンガ作家向けには専用の投稿サイトが用意されていました。

サービス開始から数年で規模を拡大し、2013年5月時点では、会員数90万人以上、登録作家数5,000人以上、投稿作品数42,000話以上を数えるプラットフォームへと成長しました。2013年5月には、マンガコンテンツ事業を手がけるコミックスマート株式会社に事業が譲渡され、以降の運営は同社によって行われました。

しかし、2017年6月30日をもってサービスは停止され、これに伴い投稿されていた作品群も全て閲覧不可能となりました。

沿革

主要な出来事は以下の通りです。

2008年：サービスがグランドオープン。オープン後わずか3日で作家登録数が400人を突破するなど、初期から注目を集めました。同年に韓国のモバイルコンテンツアワードでモバイルサービス部門2位を受賞しています。
2009年：人気上位4作品がアニメ化され、大スクリーンでの上映が実施されました。
2011年：大規模なリニューアルが行われ、スマートフォン、パソコン、携帯電話の全デバイスからの利用に完全対応。この時点で日本最大級のウェブコミック投稿サイトとして認識されるようになりました。
2012年：Android向け公式アプリがリリースされました。
2013年：iPhone向け公式アプリがリリースされたほか、運営会社がスパイシーソフト株式会社からコミックスマート株式会社へ変更されました。
2017年：サービスが終了しました。

主な作品

マンガ★ゲットに投稿された作品は無料で閲覧が可能でした。中には人気を博し、書籍化された作品も多数あります。代表的な例として、マイクロマガジン社より書籍化された『琴浦さん漫画』（えのきづ著）、『奇異太郎少年の妖怪絵日記』（影山理一著）、『D×D Joker』（キサ著）や、アスキー・メディアワークス社から出版された『ナン様とレン①』（なるあすく著）、新書館から出版された『どんどんぐり』（遥那もより著）などが挙げられます。

特徴的な機能・システム

マンガ★ゲットは、ユーザーやクリエーター向けにいくつかの独自の機能やシステムを提供していました。

マルチデバイス対応ビューア：投稿された漫画は、スマートフォン、パソコン、携帯電話といった異なるデバイスでも、それぞれの画面サイズや操作性に合わせて快適に読める専用のビューアで提供されていました。これは専用アプリやウェブブラウザを通じて利用可能でした。
マンガ・オブ・ザ・イヤー：定期的に開催されていた、投稿作品の中から最も面白い作品を決めるコンテストです。年間および月間で行われ、このコンテストで受賞した作品が後に書籍化されるケースが多く見られました。
広告収益分配：クリエーターが自身の投稿作品から収益を得られる仕組みでした。作品の閲覧数、「いいね！」の数、ファン獲得状況などに応じて「EP」という独自のポイントが付与され、そのポイント獲得率に応じて広告収益がクリエーターに分配されていました。分配の原資に関する詳細は公開されていませんでした。
コマ割りエディタ：漫画作品を投稿するために提供されていたウェブベースの無料ツールです。元々携帯電話向けサイトとして始まった経緯から、マンガ★ゲットでは作品をコマ単位で表示・閲覧するのが基本となっていました。投稿者は、アップロードした原稿画像をこのエディタを使ってコマごとに切り分ける作業が必要でした。Flashベースのこのツールでは、範囲選択によってコマを定義し、さらに各コマに対して拡大縮小やスクロールなどのアニメーション設定を施すことも可能でした。
* マンガ閲覧機能：HTML5を採用したビューアにより、パソコンやスマートフォンのウェブブラウザ、またはスマートフォンアプリ上でスムーズに漫画を読むことができました。

多くのユーザーとクリエーターに利用されましたが、2017年のサービス終了により、その歴史に幕を下ろが幕を閉じました。

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