マンチェスター・アリーナに於ける爆発物事件

マンチェスター・アリーナ爆発事件の概要

2017年5月22日夜、英国マンチェスターのマンチェスター・アリーナで、アリアナ・グランデの『デンジャラス・ウーマン・ツアー』公演が行われており、多くの観客が集まっていました。公演が終わり観客が会場を後にし始めた22時33分（現地時間）、エントランス・ロビー付近で激しい爆発が発生しました。この爆発により、観客を含む23名が死亡し、59名が負傷して病院に搬送されました。

爆発を起こした実行犯は単独の男性で、手製の爆発物を使って自らも命を絶ってしまいました。過激派組織「イスラム国」は、爆破事件の責任を自らにあると口にしましたが、当局はその証拠を確認できていません。

事件の余波

事件発生後、マンチェスターの住民やタクシー会社は、会場に取り残された人々を助けるために宿泊や交通手段を無償で提供することをツイッターで呼びかけました。また、近隣のホテルは爆発により身動きが取れなくなった子どもたちへの避難所として利用されました。

駅の利用客は避難させられ、マンチェスター・ヴィクトリア駅は直後に閉鎖され、その運行も停止されました。翌日も駅は閉鎖されたままでした。公共の場を巡り、トラフォード・センターやアーンデール・センターでも不審物が見つかり、買い物客たちは一時的に避難させられました。

テリーザ・メイ首相は、事件後のCOBR会議に出席し、テロ脅威レベルを最も高い「クリティカル」に引き上げました。これにより、首都圏の要所を警備するために最大5000人の兵士が派遣されることが決定されました。他の政府機関の警備も強化され、議会見学ツアーやバッキンガム宮殿での衛兵交代式は中止されました。5月27日には、脅威レベルが「深刻」に引き下げられましたが、依然として危険は続いていました。

死者と負傷者の詳細

爆発による死者は23名で、その中には自爆テロ実行犯も含まれていました。最年少の犠牲者は8歳の少女でした。救急隊は60台の救急車を現場に派遣し、59名の負傷者を市内の8つの病院へ搬送。それ以外にも多くの負傷者が現場で応急処置を受けました。その中には、12名の16歳未満の子どもが含まれていたと言われています。

実行犯について

実行犯とされるのは、サルマン・ラマダン・アベディという22歳のリビア系イギリス人でした。彼はマンチェスターで生まれ育ち、リビアからの難民家庭で3男として育ちました。アベディは過去にMI5に知られており、リスクの高い人物とはされていませんでしたが、彼の家族は彼の過激化を懸念していました。

爆破事件が発生する数日前、アベディはトルコから帰国しており、トルコはシリアへ通じる経路として知られています。捜査当局は、家族との関係や過去の旅行中に彼がジハード主義者と接触していた可能性に着目して調査を進めています。

事件への反応

英国の政治家たちは事件を非難し、女王も犠牲者の遺族に同情を示しました。市長や各政党の指導者らは祈りの集会を開きました。イギリスのムスリム団体もテロ行為を非難しました。また、事件を受けて多くのスポーツイベントがキャンセルされました。

現地アーティスト、アリアナ・グランデは、事件を受けて心を痛めたとの声明を発表し、さらに慈善コンサートを企画すると発表しました。これにより「One Love Manchester」という名のコンサートが開催され、影響を受けた人々への支援が呼びかけられました。

結論

マンチェスター・アリーナの爆発事件は、多くの命が奪われただけでなく、地域社会に深い傷を残しました。このような悲惨な事件が二度と起こらないよう、国際的な協力とテロ対策が求められています。

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