マーキュリー (客船)

マーキュリー（Mercury）

マーキュリーはセレブリティ・クルーズによって運航されていたクルーズ客船です。この船は1997年にドイツのパーペンブルクにあるマイヤー・ヴェルフトで建造され、センチュリー級の3隻目としてお目見えしました。なお、他のセンチュリー級の船には、センチュリーとギャラクシーがあります。

船名の変遷と運航歴

2008年に、マーキュリーは「セレブリティ・マーキュリー」と改名され、船籍もバハマのナッソーからマルタのバレッタへと変更されました。しかし、2010年にはこの船が運航するセレブリティ・クルーズに最も古い船となり、経営上の理由からTUIクルーズに移籍することが決定されました。

2011年2月にセレブリティ・クルーズでの運航が終了し、その後、ロイド・ヴェルフトが手がける改装作業が行われました。この改装はドイツのブレーマーハーフェンで実施され、約1か月の間行われました。2011年5月14日、船は「マイン・シフ2」と名前を変え、新たに航海をスタートさせました。

事件と問題

マーキュリーにはいくつかのトラブルがありました。特に注目すべきは、2006年に起こった船長による飲酒運転で、勤務中にアルコール検査を受けた結果、規定以上の血中アルコール濃度が確認され、逮捕された事件です。この出来事は客船の安全管理に関する懸念を引き起こしました。

さらに、2010年2月には乗客1833人中411人（その後1838人中435人の報道もありました）と乗員843人中32人が、ノロウイルスに感染する大規模な事態が発生しました。この感染はそれ以前にも2009年2回の事例と合わせて、3月までに合計5回も起こっていました。同年3月には再度発生し、米国の疾病予防管理センターからの勧告を受けて、19日の帰港日を1日前倒しし、船内の徹底的な清掃が実施されました。

清掃作業の結果、3月23日に再び航海を開始することができました。その際、乗客数は1067人に減少していましたが、感染者はわずか6人に抑えられ、航海は無事に続行されることができました。

結論

マーキュリーは、航海の歴史の中で様々な変遷を経たクルーズ客船であり、その運航に関する多くの出来事が記憶に残る存在です。セレブリティ・マーキュリー時代を経て、TUIクルーズのマイン・シフ2として新たなスタートを切ったこの船の旅は、クルーズの未来においても重要な意味を持つでしょう。

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