マーキュリー (帝都高速度交通営団)

営団地下鉄のマスコット「マーキュリー」：時代を彩った希望の象徴

マーキュリーは、帝都高速度交通営団（現在の東京メトロ）が、戦後の復興期に設置したマスコットです。彫刻家の笠置季男氏によってデザインされ、当時の人々に希望を与える存在として親しまれました。

デザインとコンセプト

笠置季男氏は、「戦後復興と伸びゆく若者の希望に燃えた感情を表現したい」という思いを込め、ギリシャ神話に登場する商業・交通の神「マーキュリー」をモチーフにデザインしました。その姿は、未来に向かって力強く進む若者の象徴として、多くの人々に勇気を与えました。

設置の経緯とエピソード

1951年、営団地下鉄は銀座駅の入口にマーキュリーを設置しました。その後、主要駅の入口にも設置が進められましたが、設置当初は金色に塗られていたため盗難が相次ぎました。そのため、ブロンズ色に塗り直して再設置されるというエピソードも残っています。

現在の状況

駅の改築などにより、マーキュリーの数は減少しましたが、東京地下鉄（東京メトロ）に事業が継承された現在でも、いくつかの駅で見ることができます。長きにわたり、東京の地下鉄を見守り続けているのです。

マーキュリーの設置場所（2024年現在）

地下鉄博物館　入館口内
銀座駅　丸ノ内線、銀座線、日比谷線各改札口
大手町駅　東西線コンコース付近
上野駅　銀座線改札内
浅草駅　銀座線3番出口付近（地上）
日本橋駅　銀座線・東西線改札内
池袋駅　丸ノ内線改札口、池袋ショッピングパーク（ISP）地上出口等
東京地下鉄　本社1階
東京地下鉄　総合研修訓練センター　エントランス
東京地下鉄　都内某施設

これらの駅を訪れる際には、ぜひマーキュリーを探してみてください。当時の人々の思いを感じることができるでしょう。

名称の継承

「マーキュリー」の名称は、2020年に創立された東京メトロの女子駅伝部に受け継がれています。これは、マーキュリーが象徴する「未来への希望」というメッセージが、現代にも通じる普遍的なものであることを示しています。

まとめ

マーキュリーは、戦後の復興期に誕生し、人々に希望を与えた営団地下鉄のマスコットです。その姿は、現在も東京メトロの各所に残っており、私たちに当時の記憶と未来への希望を伝えています。東京メトロを利用する際には、ぜひマーキュリーを探し、その歴史とメッセージに触れてみてください。

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