マーケティング天国

マーケティング天国

『マーケティング天国』は、1988年から1990年までフジテレビの深夜番組枠『JOCX-TV2』で放送されていた経済情報番組です。ホイチョイ・プロダクションが企画に関与し、日本テレワーク（現在のネクステップ）が制作を担当しました。日本がバブル経済の最中であったにもかかわらず、当時のマーケティング概念は一般市民にはあまり理解されていませんでした。そのため、この番組は視聴者にマーケティングの重要性を伝える先駆的な役割を果たしていました。

番組の構成と内容

この番組の司会者は、当時フジテレビのアナウンサーであった城ヶ崎祐子が務めました。『マーケティング天国』は生放送ではなく、放送日当日の午後に収録され、その日の新しいデータを盛り込む形式を取っていました。このため、ランキングのナレーションには収録済みのものとその場で収録されるものがあり、常に最新情報を視聴者に提供しようという意気込みが感じられました。

番組の前半では、城ヶ崎が映画、書籍、CDの売上や視聴率ランキングを流れるように紹介しました。各ランキングの際には一言の寸評を付けるのが常で、時には厳しい評価を下すこともありました。たとえば、『ゴーストバスターズ2』に対してはそのクオリティが第1作に及ばないと辛口の批判をしたこともありました。視聴率ランキングでは自局の番組にも冷たいコメントを寄せ、逆に『ちびまる子ちゃん』については「平成のサザエさん」として称賛しました。

後半の「ミッドナイト・プレゼンテーション」では、専門家を招いて市場分析を行い、特定の分野におけるトレンドやニーズを深掘りすることが特徴でした。このように、単なるランキング番組を超え、視聴者に新たな知識を提供する内容であったことが、多くの支持を集めた要因です。

番組終了後の展開

『マーケティング天国』は1990年に終了しましたが、同年には日本テレビで『EXテレビ』がスタートしました。この番組も「今週のヒットパレード」を基本としたトレンドランキングを核にしており、内容が『マーケティング天国』と非常に似通っていました。放送日も同じ月曜日であり、視聴者は比較する楽しみを持つことができました。『EXテレビ』では慶應義塾大学の村田昭治教授がコメンテーターとして登場し、視聴者に新たな視点を提示しました。

また、ホイチョイ・プロダクションはその後も1990年代に『カノッサの屈辱』や『TVブックメーカー』といった情報バラエティ番組を手掛け、「フジテレビ・ホイチョイのマーケット3部作」として位置付けました。この3部作の終了後には1993年に『5年後』という番組も放送され、マーケティングに関連するテーマが引き続き視聴者に提供されました。

制作スタッフ

『マーケティング天国』の制作には多くの優れたスタッフが携わりました。企画・原案を担当したのはホイチョイ・プロダクションであり、構成には小山薫堂と平岡秀章が名を連ねています。マーケティングリサーチを担当したメンバーには川井凡や永弘道、吉田由里などがいました。番組のデザインに関わったのは下村哲也や五十嵐真一、髙橋洋一郎です。編集は薗部健が行い、企画や編成にはフジテレビの小牧次郎や石原隆、金光修、石山辰吾が関与しました。

このように、『マーケティング天国』は単なるエンターテインメントにとどまらず、視聴者にマーケティングの概念を浸透させる重要な役割を果たした番組であり、その影響は今もなお続いています。

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