マージョリー・コートニー＝ラティマー

マージョリー・アイリーン・ドリス・コートニー＝ラティマーについて

マージョリー・アイリーン・ドリス・コートニー＝ラティマー（1907年2月24日 - 2004年5月17日）は、南アフリカで著名な博物館員として知られており、1938年にシーラカンスを発見したことで世界的な注目を集めました。彼女の研究と発見は、生物学と自然史における重要な出来事の一つとされています。

生い立ちと教育

コートニー＝ラティマーは、南アフリカ共和国イースト・ロンドン市で、南アフリカ鉄道の駅長の娘として生まれました。早産として生まれた彼女は、子供時代を通じて健康問題を抱えていましたが、自然への強い興味はおさまることがありませんでした。特に海と鳥類に魅了され、11歳の時には鳥類専門家になりたいと強く願うようになりました。

学校を卒業後は看護師の道を志しましたが、イースト・ロンドン博物館の職空きを知り、全くの経験なしに面接に臨みました。彼女の自然史に対する深い理解が評価され、1931年に博物館に就職しました。この職に就いたことが、彼女の科学者としての道を開くことになります。

シーラカンスの発見

コートニー＝ラティマーは、博物館での職務を通じて、さまざまな自然史の研究に従事していました。1938年のある日、漁師からの電話で珍しい魚が捕らえられたと聞き、波止場へと急行しました。そこでは、彼女が見たこともない美しい魚が待っていました。

この魚は、長さ約150センチ、薄青色で白い斑点が散在し、虹色の光沢がありました。その体は硬い鱗に覆われ、4本の脚のようなヒレと変わった尻尾を持っていました。まさに彼女の科学者としてのキャリアを象徴する運命的な出会いとなりました。

彼女は魚を博物館に持ち帰りましたが、その保存に関する設備が不足していたため、一時的に死体置き場へと運ばれることになりました。保存の方法が不明だったため、友人の魚類学者ジェイムズ・レナード・ブリアリー・スミスに連絡を試みましたが、彼は不在だったため、自ら剥製の手配をすることを決意しました。

1939年2月、彼女を助けるためにようやく到着したスミスは、その魚がシーラカンスであることを即座に確認しました。彼はこの生物に学名Latimeria chalumnaeを与えました。この名前は、彼女の名前にちなんでおり、発見地であるChalumna Riverに由来しています。

生涯と業績

コートニー＝ラティマーは、シーラカンスの発見を通じて、海洋生物学の世界に名を刻みました。彼女の業績は、失われた古代生物が再び見つかる可能性を示すものであり、数世代にわたる研究者たちに影響を与えました。

その後、彼女の生涯は未婚であり、最愛の人を若くして失った悲しみを抱えながらも、自然科学への情熱を失うことはありませんでした。引退後は花に関する著作を手掛け、様々な自然の美しさを伝え続けました。

コートニー＝ラティマーの業績は、今なお生物学や自然史の分野で語り継がれており、彼女の情熱と献身は多くの人々にインスピレーションを与えています。

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