マーブルチョコレート

マーブルチョコレート：日本の菓子史を彩るロングセラー

1961年、株式会社明治（当時：明治製菓）から発売されたマーブルチョコレートは、日本で初めて作られた粒状チョコレートです。発売以来、長きにわたって愛され続けるロングセラー商品として、日本の菓子業界に大きな足跡を残しています。

七色の魅力と、時代を彩るマーケティング

発売当初は「七色揃ったかわいいチョコレート」というキャッチコピーで、子供たちを中心に爆発的な人気を博しました。7つの異なる色のチョコレートは、見た目のかわいらしさと、一口ごとに変わる味覚の楽しさで、多くの消費者の心を掴みました。 当時としては珍しかった糖衣チョコレートであることも、夏場でも販売できる大きな要因となりました。

さらに、発売当初からのおまけシールは、子供たちにとって大きな魅力でした。鉄腕アトムを筆頭に、動物、季節のイベント、都道府県、そして現在の世界の旅シリーズと、時代に合わせて変化を遂げながら、長年にわたって多くのコレクターを生み出しました。

テレビCMでは、上原ゆかりさんが演じる「マーブルちゃん」が登場し、親しみやすいキャラクターが商品イメージを大きく後押ししました。1989年にはティーンエイジャーをターゲットとした小袋パッケージも登場するなど、時代に合わせて柔軟な商品展開が成功の鍵となっています。

2011年には、発売50周年を迎えました。半世紀以上に渡り愛され続けるロングセラーとしての地位を確立し、日本の食文化に深く根付いていることを示しています。

名前と、その由来

「マーブル」という名前には、大理石を意味する他に、「遊びに使うおはじき」や「色のついた変わり玉」という意味合いがあります。カラフルなチョコレートの見た目と、その多様な味が、これらの意味と見事に合致していると言えるでしょう。

おまけシール：時代を映す鏡

発売当初の鉄腕アトムシールに始まり、動物、季節のイベント、都道府県などをモチーフとしたシールは、時代を反映したデザインへと変化してきました。現在では「世界の旅」シリーズが展開されており、子供たちの心を掴み、コレクション心をくすぐり続けています。これらのシールの変遷は、マーブルチョコレートの歴史そのものを物語っています。

サイズのバリエーションと、地域限定フレーバー

標準サイズに加え、食べ応えのあるジャンボサイズ（110g）も販売されています。また、明治のプチアソートにも同梱されており、定番のマーブルチョコレートに加え、「マーブルいちご」などバリエーション豊かな商品展開がなされています。

さらに、地域限定フレーバーも人気を集めています。北海道メロン、山形さくらんぼ、信州りんご、信州栗鹿の子、東京バナナカスタード、静岡みかん・黒みつきなこ、中部・北陸あんこ、関西宇治抹茶、瀬戸内柑橘ミックス、九州むらさきいも、沖縄黒糖など、各地の特産品を活かしたフレーバーは、旅行のお土産としても人気を集めています。

2011年には、発売50周年と鉄腕アトム生誕60周年を記念して、アニメ第1作放映当時のパッケージを復刻した「鉄腕アトムマーブル」が期間限定で発売されました。復刻版アトムシールは全49種類という豪華さで、当時を知る世代にはノスタルジックな感動を与えました。

マーブルチョコレートの更なる未来

マーブルチョコレートは、時代とともに進化を続け、常に消費者の心を掴んできました。これからも、新しい味やデザイン、そして企画によって、多くの人々に愛される商品であり続けることでしょう。日本の菓子業界における、その存在感は今後も揺るぎないものとなるでしょう。

もう一度検索