マーベル・ウイン

マーベル・ウイン：阪神タイガースを彩った一瞬の輝き

マーベル・ウイン（Marvell Wynne、1959年12月17日 - ）は、アメリカ合衆国イリノイ州出身の元プロ野球選手。メジャーリーグで8年間プレーした後、1991年に阪神タイガースに入団しました。外野手として、その実績から当時としては高額な年俸1億4000万円で迎えられましたが、期待に応える活躍を見せることはできませんでした。

メジャーリーグでの実績と阪神タイガースへの入団

ウインは1983年から1990年まで、ピッツバーグ・パイレーツ、サンディエゴ・パドレス、シカゴ・カブスでプレーしました。オールスターゲームにも出場経験があります。その実績が評価され、阪神タイガースに入団。開幕からスタメン出場を果たしましたが、打率は.230と低迷し、規定打席到達者の中で最下位に終わるなど、期待されたほどの活躍はできませんでした。

短い在籍期間と記憶に残る一発

ウインの獲得は、当時コーチだった佐々木恭介の強い推薦によるものでした。しかし、佐々木は後に「ウインには騙されました」と語っています。同年に入団したトーマス・オマリーが日本野球に適応しようと努力し、成功を収めたのとは対照的に、ウインは日本の野球に適応できず、1年で退団することになりました。

しかし、ウインが全く良いところがなかったというわけではありません。1991年7月7日の対巨人戦（東京ドーム）で、延長12回に桑田真澄から放った特大の決勝本塁打は、ファンの記憶に強く残っています。この試合は、ウインと、この年不調だった仲田幸司（この試合がシーズン唯一の勝利）の活躍が重なったこともあり、「七夕の奇跡」とまで言われました。

エピソード

1991年、阪神は甲子園での巨人戦でわずか1勝しかできませんでしたが、その唯一の勝利である7月30日の試合で、ウインはサヨナラ内野安打を放ち、お立ち台に上がりました。
1991年5月19日には、サイクルヒットに王手をかけましたが、次の打席で長打コースの打球を放ち二塁打となり、達成とはなりませんでした。
カブス時代の1989年には、チームメイトと大喧嘩し、相手に大怪我を負わせました。
パドレス時代の1987年4月13日には、初回先頭打者本塁打を放つと、続く打者が連続本塁打を放ち、MLB史上初の初回先頭打者から三連続本塁打を記録しました。

評価

ウインは阪神タイガースでは目立った成績を残すことはできませんでしたが、常に全力プレーを心がけていました。凡打した際に走塁の手を抜くオマリーに対し、一塁まで常に全力疾走するウインの姿勢を評価する評論家もいました。

まとめ

マーベル・ウインは、阪神タイガースでの活躍は短期間に終わりましたが、記憶に残る本塁打やエピソードを残しました。その全力プレーの姿勢は、一部のファンや評論家から評価され、今でも語り継がれています。

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