マー姉ちゃん

『マー姉ちゃん』概要

『マー姉ちゃん』（マーねえちゃん）は、1979年4月2日から9月29日まで放送されたNHKの連続テレビ小説第23作です。この作品は、漫画家長谷川町子による自伝エッセイ漫画『サザエさんうちあけ話』を原作とし、主人公のマリ子は町子の姉である毬子をモデルに描かれています。

物語は、サザエさんが誕生するまでの道のりやそれにまつわる出来事を中心に展開され、熊谷真実が主演を務めました。放送当時の平均視聴率は42.8%、最高視聴率は49.9%と非常に高く、多くの視聴者に親しまれました。放送終了後も、出演者やスタッフによる「マー姉ちゃんの会」なる同窓会が毎年開催されていることからも、その愛され続けている作品であることが伺えます。

主な舞台と映像保存

このドラマは東京都を中心に、前作『わたしは海』の延長として福岡県でも多くのシーンが展開されました。『マー姉ちゃん』以降の連続テレビ小説はすべての映像をNHKが保存しており、埼玉県川口市にあるNHKアーカイブスでは、一部作品を一般公開しています。これにより、視聴者は過去の名作を振り返ることが容易になっています。

作品には過去の朝ドラのヒロインである人物も多く出演しており、その中には藤田弓子（主人公の母親役）や田中裕子（次女役）などが含まれます。また、エンディングでは不定期にイメージソング「手のひらは小さなシャベル」が登場し、場面を一層引き立てました。

あらすじ

物語は昭和9年の福岡市からはじまります。女学生の磯野マリ子は、母と二人の妹と共に暮らす家庭の長女です。彼女は油絵に秀でており、展覧会での入選をきっかけに、母は彼女を東京で教育を受けさせるために一家で上京する決意をします。東京ではマリ子が画塾に通い、妹たちも新しい学校に編入します。しかし、次女マチ子は漫画家を目指したいと熱望し、ついには田河水泡の弟子としてデビューを果たします。

時が経つにつれ、戦争の影が磯野家にも忍び寄ります。突然、母が家計が困窮していることを告げ、マリ子は挿絵画家として働く決意を固めます。そして、出版社での仕事を通じて家計を支える努力をします。が、その影響で一番下の妹ヨウ子の健康が損なわれ、彼女は自宅で療養することになり、戦後の苦しい時代を牽引することに。

やがて、マリ子は「サザエさん」を生み出し、その成功が磯野家に希望をもたらします。戦後の福岡では多くの困難が生じる中、家族はそれぞれの道を歩みながらも、温かい絆を保ち続けて行くのです。

登場人物

物語には多彩なキャラクターが登場します。主人公の磯野マリ子は明るく真面目な性格で、家族から「マー姉ちゃん」と呼ばれます。彼女の母・磯野はるは、信仰深いクリスチャンでありながら、子どもたちに対する独特な価値観を持っている人物として描かれます。また、次女の磯野マチ子は発言力があり、漫画家として成長していく姿が描かれます。そして、三女の磯野ヨウ子は物静かで控えめな性格ですが、家族を支える重要な存在です。

『マー姉ちゃん』は、波乱万丈ながらも日常の中にある愛や絆を描いた作品であり、多くの視聴者に深い感動を与えました。この番組は、現代においてもそのエッセンスを私たちに思い出させてくれる作品です。

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