ミカエル・ミシェル(Mickaëlle Michel)
ミカエル・ミシェルは、
1995年7月15日に
フランス・ヴァール県イエールで生まれた女性騎手です。幼少期から乗馬を学び、乗馬経験を積んだ後、マルセイユの競馬学校で騎手の道を歩み始めました。見習い期間を3年間終え、
2014年にプロと認められデビュー。その年の9月6日に
フランス東部のヴスール競馬場で初勝利を果たしますが、同時に大きな試練が待ち受けていました。
競馬界でのキャリアは決して順風満帆ではありませんでした。練習中に落馬し、約1年半の間戦列を離れるという不運も経験。そんな中、
2017年に
フランスで女性騎手に対する減量制度が導入されると、彼女は再び頭角を現し始めます。地元コート・ダジュールでの活躍を経て、同年秋からは
パリ地区でも本格的に騎乗を始め、年間17勝を挙げました。
2018年には、カーニュ・シュル・メール競馬場の冬開催で女性騎手として初めてリーディングを獲得し、72勝を挙げることで
フランスでの女性騎手年間最多勝記録を樹立しました。この成功を受けて、2019年には札幌競馬場で開催されたWASJ(ワールドアスリートジョッキーズカップ)に出場し、日本に初めて足を踏み入れます。WASJでのレースでは、8月25日にスワーヴアラミスに騎乗してJRA(日本中央競馬会)での初勝利を挙げました。その後もJRAの通年騎手免許試験を受ける計画を立てていました。
2020年には短期免許を取得し、
川崎競馬場の山崎裕也厩舎に所属し、地方競馬でも成功を収めます。特に重要だったのは、
イタリアでの重賞レースで初のタイトルを獲得したことです。しかし、新型コロナウイルスの影響で日本での騎手免許試験を受ける機会を逃すなど、試練の連続でした。それでも、2021年には
フランスの競馬場で大事故に遭い、復帰を果たすとともに、2022年からはアメリカ・
ケンタッキー州を拠点に活動を続けます。
アメリカでも彼女は成功を収め、7月にはエリスパーク競馬場で初勝利を手にしました。その後もJRAの通年騎手免許試験を受け続けましたが、なかなか成果を上げられませんでした。2024年には
オーストラリア・
メルボルンに活動の場を移すことが発表され、そこで新たな挑戦が期待されています。
彼女の特異なキャリアと成果は「トルネード」と呼ばれる異名で表現され、特に
2018年の躍進期にその名が広まりました。日本での騎手仲間の的場文男との親友関係も知られており、彼からのアドバイスも彼女の成長に貢献しています。また、2021年には元騎手と結婚し、周囲のサポートを得ながら一層の高みを目指しています。彼女の道のりは、今後の競馬界における女性騎手の可能性を広げる一例となることでしょう。