ミクロマン200X

ミクロマン200X：新世代ミクロマンの世界

『ミクロマン200X』は、株式会社タカラ（現：タカラトミー）から2003年より展開された、ミクロマンシリーズのハイエイジ向けラインナップの通称です。本稿では、この新世代ミクロマンについて、その玩具としての概要、シリーズ展開、他商品への影響、ストーリー、そして関連商品までを詳細に解説します。

玩具としての概要

身長10数センチのABS樹脂やポリカーボネイト樹脂で構成された『ミクロマン200X』は、対象年齢15歳以上のハイエイジ向け商品です。全年齢向け玩具にはない小さな部品が多数付属し、プレイバリューを高めているのが特徴です。

可動域の革新

本シリーズ最大の特徴は、全身30箇所可動という当時としては群を抜いた可動域の広さでした。肘や膝の二重関節化、二の腕のロール軸装備、軟質素材製の可動関節付き手首パーツなど、従来のミクロマンシリーズを大幅に進化させ、「動かせる小型フィギュア」としての可能性を追求しました。この革新的な関節構造は、以後の他社のアクションフィギュアシリーズにも影響を与えています。

マグネパワーズからの進化

1998年から2001年に展開された『ミクロマン・マグネパワーズ』と比較すると、股関節の球体関節化やキャラクター的なギミックは強化されていましたが、安全基準への配慮から可動部位が制限されていました。特に手首や足首の可動が固定されていた点は、『ミクロマン200X』によって大きく改善されました。

シリーズ展開

2003年にオリジナルデザインの新キャラクターとPS用ゲーム『タツノコファイト』の版権キャラクターが発表され、その後、「ミクロマンシリーズ（オリジナルシリーズ）」、「ミクロアクションシリーズ」、「マテリアルフォースシリーズ」の3本柱で展開されました。

オリジナルシリーズ

有形ブロック構造による武装が特徴で、自由なカスタマイズが可能なプレイバリューを提供しました。

ミクロアクションシリーズ

版権キャラクターの原作アクションを再現できるよう、武器などのアイテムが多数付属していました。

マテリアルフォースシリーズ

キャラクター性や表情を排除した人形で、改造用のベースやデッサン人形としての用途がアピールされました。性別・体型・色の異なる種類が多数発売されました。

その他の展開

2004年からは軟質素材の怪獣着ぐるみとのセット商品「着ぐるミクロマンシリーズ」、2006年には大型アイテムとの連携を盛り込んだ「デュアルモデルツヴァイシリーズ」や「ミクロアクションプラスシリーズ」もスタートしましたが、2007年の「ミクロマンキン肉マンシリーズ 悪魔超人編」を最後に商品展開は終了しました。

他の商品への影響

『ミクロマン200X』の関節構造などの特徴は、『トランスフォーマー G-2』シリーズ以降の技術から生まれたものであり、後発の『figma』や『S.H.Figuarts』などの可動フィギュアシリーズに影響が見られます。一方、旧シリーズで見られた「有形ブロック構造」システムによる「オリジナルの搭乗メカ」などのプレイバリューが低かったこともあり、「オリジナルシリーズ」の展開は徐々に縮小し、2008年以降は企画が完全に凍結しました。

オリジナルシリーズ ストーリー

30年前、2人の若き科学者により開発された「ミクロ細胞」から生まれた「ミクロヒューマノイド」を巡る物語。悪用を企むDr.シルバーから細胞を守るため、Dr.バーンズは4人のミクロヒューマノイドにDr.シルバー探索の指示を出します。そして30年後、謎の小型生命体を感染源とする悪性ウイルス「アクロイヤーX」の出現により、新たなミクロヒューマノイドが誕生し、ミクロマンとアクロイヤーの長きにわたる戦いが始まるのです。

ストーリー展開

ネコ・パブリッシングの雑誌『Quanto』を中心に、2004シリーズはジオラマ写真と小説によるCGフォトストーリーとして、2005・2006シリーズはコミックとして展開されました。

CGフォトストーリー

シナリオはデザインメイトが制作し、『Quanto』や公式サイト、付属パンフレットシリーズ『Infomercial』などで展開されました。

コミック MICROMAN

フルカラーコミックで、台詞はミクロ文字が使用されています。『Quanto』に連載され、作者はDOGMASKです。

まとめ

『ミクロマン200X』は、その革新的な可動域と多彩なシリーズ展開で、アクションフィギュアの新たな可能性を切り開きました。後のフィギュアシリーズに多大な影響を与えただけでなく、様々なメディア展開によって、その世界観を深く掘り下げ、多くのファンを魅了しました。

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