ミクーリン AM-3

ミクーリン AM-3 ターボジェットエンジン

ミクーリン AM-3（型式名RD-3M）は、ソビエト連邦の技術者アレクサンダー・ミクーリンによって設計されたターボジェットエンジンです。このエンジンは、1952年から航空機に搭載され、優れた性能で高く評価されました。

開発の背景

AM-3の開発は1948年に始まりました。このエンジンは、当時の最先端の航空機技術を取り入れた強力なジェットエンジンを目指しており、英国のロールス・ロイスから取得したニーンとダーウェントエンジンを参考にしています。開発は1949年の半ばまで行われ、その後、1950年から生産が開始されました。

主な搭載機

ミクーリン AM-3は、ツポレフTu-16、Tu-104、M-4などの航空機に搭載され、実用機としての信頼性を示しました。このエンジンは、圧縮機を駆動するために2段式の高圧タービンを採用しており、高い推力を実現しています。

技術的仕様

AM-3の主な仕様は以下の通りです：

• - 全長: 5380mm
• - 直径: 1400mm
• - 重量: 3200kg
• - 推力: 85.3kN
• - 圧縮比: 8.2:1
• - 最大空気流量: 150kg/s
• - 単位推力当たりの燃料消費率: 0.932kg/(kN/h)
• - タービン入り口温度: 1130K

これらの数値は、エンジンが非常に効果的かつ効率的な動作を行うことを示しています。

派生型とアップグレード

AM-3は、その基本設計をもとにいくつかの派生型が開発されました。初期生産型であるAM-3とAM-3Aに続き、M-4の派生型であるAM-3Dは推力85.6kNを持ち、さらに推力を増強したAM-3Mシリーズ（AM-3M-200、AM-3M-500、AM-3M-500A）は、最大推力93.1kNまで引き上げられました。

中国では、このAM-3を基にしたWP-8エンジンが開発され、西安 H-6（Tu-16のライセンス生産機）に搭載されています。WP-8は出力91.3kNを誇っています。

また、AM-5という派生型も存在し、最初の生産型で推力21.6kN、アフターバーナー付きのAM-5Fは26.5kNの推力を持ち、I-340に搭載されました。

結論

ミクーリン AM-3は、その革新的な設計と強力な性能により、多くの航空機にとって重要なエンジンとなりました。その技術的進歩は、他の航空機エンジンの開発にも影響を与え、今でも航空技術の一部としてその重要性は続いています。

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