ミサイル・ロケットの命名規則 (アメリカ合衆国)

アメリカ軍のミサイル・ロケット名付けの規則

アメリカ軍では、ミサイルやロケット、さらには航空機に至るまで一貫した命名規則が適用されています。この命名規則は、「MDS」（Mission-Design-Series）と呼ばれ、各ミサイルに特有の識別名を与えるために、文字と数字が組み合わされています。

現行の命名規則の概要

現在、陸海空3つの軍で共通の方式がとられており、名称の構成には4つの主要な要素があります。これらは、発射環境、目標の種類、そしてミサイルまたはロケットのタイプを示しています。各要素は特定の頭文字で表され、最初の数文字がミサイルの発射条件や目的を示す役割を担っています。

構成要素についての詳細

アメリカの飛翔体の名称は、一般的に10の構成要素で構成されており、ミサイルやロケットにはそのうち7つが該当します。主に次のような部分で構成されています：

1. 現状 / 発射環境 / 目標の種類（M）
- 3～4文字のアルファベットで示され、ミサイルの状態や発射環境、任務の種類を明確に表します。
- 状態を示す接頭記号（例：Cがキャプティブ、Dがダミー）、発射環境の記号（Aが空中発射など）、任務の種類を示す基本的記号（Gが対地攻撃など）などがあります。

2. 設計番号（D）
- ミサイルによって異なる設計が行われ、その設計に基づいたシリアル番号が付与されます。

3. シリーズ記号（S）
- 同じ設計番号の中で異なるバージョンを示すために、アルファベットで表記されます。

4. 構成番号
- 特定の仕様変更があった際にハイフンと共に続く数字が追加され、さらなる詳細組み合わせができます。

5. ブロック番号
- 主に航空機に用いられていたが、一部のミサイルにも適用されています。ブロック改修が行われても新たな番号が付けられます。

過去の命名規則

過去には、異なる軍で異なる方式の命名が行われていた時期もありました。特に1947年以前には、空軍は任務に基づいた番号付けを採用し、陸軍や海軍は別の方法をとっていました。1951年から1963年の間でも、空軍は無人航空機としてのミサイルの扱いを強調していました。

現在のような統一された基準を確立するまでの過程

各軍の異なる規則が、徐々に統一されるプロセスが進みました。その中で、役割や技術に基づく番号の一貫性を求める声が高まり、形成されたのが現行のMDS方式です。この命名規則は、ミサイルの種類や用途に応じた明確な識別をもたらしました。

まとめ

アメリカ軍のミサイルやロケットの命名規則は、明確な体系の下にデザインされています。この命名方法の導入により、指定されたミサイルの特性を即座に理解できるようになりました。各要素がどのように組み合わさるかを知っておくことは、軍事技術の理解を深める上で非常に重要です。

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