ミシュコ・ビエホ

ミシュコ・ビエホ（Mixco Viejo）

ミシュコ・ビエホは、グアテマラのチマルテナンゴ県の北東部に位置する高地マヤの遺跡です。この重要な考古学的地点は、1525年にスペインの征服者ペドロ・デ・アルバラードの軍に降伏したことで知られています。遺跡は非常に保存状態が良好で、マヤ文明の特徴的な遺構を数多く残しています。

遺跡の概要

「ミシュコ・ビエホ」という名称は、スペイン語で「古いミシュコ」を意味し、高地での重要な都市の一つです。この遺跡は、標高900メートルの丘の上に位置しており、モタグア川を見下ろす絶好のロケーションにあります。周囲の天然要塞に囲まれており、狭いエリアに120を超える建物が点在しています。これらの建物には広場、ピラミッド、祭壇、球戯場などが含まれます。

特に目を引くのは、グループBに存在するツイン・ピラミッドと約束された形である球戯場の標識で、これは蛇の口から人間の顔が覗く独特の構造をしています。遺跡内には約250の住居が推定されており、人口は1500人から2000人程度と考えられています。

歴史的背景

17世紀の記録によれば、ミシュコ・ビエホはポコマム族の要塞であり、スペインとの長期にわたる戦いの末に降伏したとされています。この説は長らく信じられてきましたが、近年の研究では異なる見解も存在します。考古学者ロバート・カーマックは、ここが実際には植民地時代から住んでいたカクチケル族に属するチャホマ人の中心地であったことを示唆しています。

遺跡の建設時期は正確には不明ですが、現存する最も古い建物は13世紀以降に建造されたとされています。1525年、ミシュコ・ビエホはアルバラードによる攻撃を受け、1か月間の激闘の後、内部の裏切りによって降伏しました。その後、アルバラードは町を焼却し、住人たちは約27キロメートル南に位置するミスコに移動させられました。

調査活動

ミシュコ・ビエホの学術的な調査は1896年に始まり、ドイツの考古学者カール・ザッパーが最初に地図を作成しました。その後、1950年代にはカーネギー研究所による大規模な調査が行われました。また、スイスの考古学者ジョージ・ギユマンによる建造物の研究も発表されています。さらに、1954年から1967年にかけて、フランスとグアテマラの共同研究プロジェクトにより、発掘作業および復元が実施されました。

自然災害とその影響

1976年には、グアテマラで発生した大地震がミシュコ・ビエホにも甚大な被害をもたらしました。特に重要な建物であるC-1が崩壊し、遺跡の保存に深刻な影響を及ぼしました。現在もこの遺跡は、考古学的に興味深いスポットとして注目されています。訪れる人々は、マヤ文明の栄華を感じることができる貴重な場所です。

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