ミステリーベスト21

ミステリーベスト21

『ミステリーベスト21』は、1962年8月10日から1963年1月25日にかけて、NETテレビ（現在のテレビ朝日）系列で金曜夜に放映されたテレビドラマシリーズです。この番組は各話完結のオムニバス形式を取り、サスペンス色の強いミステリー作品で構成されていました。制作は東映が担当し、全25話が制作されました。当時の松下電器産業（現在のパナソニック）による一社提供番組として放送されました。

企画と内容

本シリーズの最大の特徴は、当時日本で活躍していた人気推理作家21名が自ら選んだ短編や長編の一部を原作としている点にありました。これらの選りすぐりの作品を、一流の脚本家や映画監督、テレビディレクターが映像化するという、非常に意欲的な企画としてスタートしました。これにより、視聴者は多様なミステリーの世界観をテレビで楽しむことができました。

当初の企画では、21名の作家それぞれの作品を1本ずつ映像化し、1962年12月28日の放送をもって全21話で終了する予定でした。しかし、番組が好評を博したため、放送期間が延長されることになりました。延長された1963年1月5日から1月25日までの期間には、すでに作品が紹介された作家の中から、新たに4作品が選ばれてドラマ化され、全25話で幕を閉じました。

映像資料の現存状況

放送から長い年月が経過しており、本シリーズの映像資料の現存状況は極めて限定的であることが知られています。制作元の東映には、現在、第1話と第6話のオープニング（OP）およびエンディング（ED）映像のポジフィルムが保存されていることが確認されています。しかし、これらのフィルムは音声素材が失われており、サイレント（無音）状態となっています。

残念ながら、全25話分の本編映像（ネガ・ポジフィルム）が現在も全て保存されているかは明らかではありません。このため、本編の映像資料はほぼ現存していない可能性が高いと考えられています。東映が運営するCSチャンネルである「東映チャンネル」においても、これまでに本シリーズの第1話を含め、全25話の本編が放送された記録はありません。

さらに、第1話および第6話のサイレントOP/ED映像を除き、本シリーズの本編映像を含むソフト化は、DVDやブルーレイなどのメディアで一切行われていません。このことから、『ミステリーベスト21』は、日本のテレビドラマ史における「幻のドラマ」の一つと言える状況にあります。当時の資料や放送記録のみが、その存在を伝える貴重な手がかりとなっています。全話の本編が発見され、再び公開される日が待たれています。

（注：文中に「放送時間」「放映リスト」という項目がありましたが、具体的な内容に関する情報が提供されなかったため、本文中には記載していません。）

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