ミステール (航空機)

ミステール (Mystère)

ミステールは、フランスのダッソー・ブレゲー社によって開発された戦闘機であり、フランス初の実用国産ジェット戦闘機です。この機体は、従来のウーラガンを基にしてデザインされました。最初は原型機であるウーラガンの後退翼を採用した形でしたが、後の型では大規模な改良が加えられ、全く新しい機体とも言えます。

概要

ウーラガンの成功を受けて、ダッソー社は新たな高性能機体の開発へと移行しました。ミステールの試作1号機、すなわちミステールIは1951年に初飛行を果たしました。この機体は、ウーラガンと同様の胴体に加え、面積が拡張された垂直尾翼や30度の後退角を持つ主翼を装備していました。エンジンはウーラガンと同じものでしたが、その後の試作機では、より強力なエンジンが採用され、ミステールII Aとされました。試験結果は良好で、最高速度もウーラガンを上回り、その飛行特性も卓越していたため、フランス空軍はミステールIIの量産を決定しました。

その後、ミステールII Cとしてエンジンをアター101に変更した型が中心となり、合計166機がフランス空軍に配備されました。ミステールIIIという全天候型も試作されましたが、最終的には採用されませんでした。

ミステールIVの登場

さらに進化したミステールIVは、1952年に初飛行し、1954年からの量産に入ります。名称の由来となっている「神秘」という名の通り、ミステールIVは当時の戦闘機の設計を大きく変革しました。胴体は楕円形に再設計され、主翼も新型の38度後退翼を採用し、より洗練された外観を持っています。この機体は1958年までに421機が製造されました。

その後、ミステールIV Bとして強力なエンジンに換装され、1954年には音速を超えた機体となりました。また、シュペルミステールやミラージュIIIのような新型機体が登場すると、ミステールIVは戦闘爆撃機や兵装訓練機として運用されました。1982年にアルファジェットへの更新が行われるまで運用が続けられました。

海外での運用

ミステールIVはフランス国内だけでなく、インドやイスラエルにも輸出されました。特にイスラエル空軍では、スエズ動乱において重要な役割を果たしました。第101飛行隊で使用されたミステールIV Aは、エジプト空軍機を撃墜し、運用が続けられました。1967年の第三次中東戦争にも参加し、対地攻撃任務に就きましたが、1971年にはA-4スカイホークに置き換えられ、退役しました。

スペック

• - 全長: 14.70 m
• - 翼幅: 10.78 m
• - 最大速度: 約1,000 km/h
• - エンジン: アター101

関連項目

• - 戦闘機一覧
• - ダッソー社製軍用機に関連する主な作品

さらに詳細な情報や画像については、ウィキメディア・コモンズの関連カテゴリをご覧ください。ミステールは、確かな技術革新をもたらした魅力的な戦闘機です。

もう一度検索