ミス・ユニバース1985

ミス・ユニバース1985

1985年7月15日、第34回ミス・ユニバース世界大会が、アメリカ合衆国フロリダ州マイアミにあるジェームズ・L・ナイト・コンベンション・センターにて盛大に開催されました。この世界的な美の祭典には、79の国と地域から選ばれたナショナル代表が集結し、その美しさと知性を競い合いました。

熾烈な競演の結果、プエルトリコの代表であるデボラ・カーシー＝デュー氏が見事優勝の栄誉に輝きました。彼女には、前年度のミス・ユニバースであるイボンヌ・ライディング氏（スウェーデン）から、輝かしいティアラが受け継がれました。日本からは、代表として古沢初美氏がこの大会に出場しました。

大会の背景とエピソード

本大会の開催地選定においては、いくつかの動きがありました。当初、1984年10月の時点で、拡張されたばかりのカナダ・アルバータ州エドモントンにあるウェスト・エドモントン・モールの所有者が、大会の誘致に強い関心を示していました。これは、前年の1984年大会招致に同じアルバータ州のカルガリーが失敗した雪辱を果たす意味合いもあったとされています。

しかし、最終的に大会は、前年に引き続きフロリダ州マイアミでの開催が決定しました。これに対し、当時のミス・ユニバース機構社長であったジョージ・ゴンチャー氏は、大会運営にかかる約200万ドルという費用に対する地元からの十分な支援が得られていないことへの失望感を表明する場面もありました。

また、この年の大会では、ある社会的な問題が影を落としました。大会開催地のマイアミ市は、南アフリカで当時行われていたアパルトヘイト政策に対する抗議活動が懸念される状況を踏まえ、南アフリカ代表の派遣を見送るようミス・ユニバース機構に要請を行いました。

これを受け、南アフリカ側は1985年5月中旬、代表として選ばれていたアンドレア・ステルザー氏の身の安全が保証されない可能性を懸念し、やむなく大会への不参加を決定しました。この不参加は、南アフリカにとって1975年以来のことであり、結果的に同国は1995年までミス・ユニバース世界大会に戻ることはありませんでした。なお、アンドレア・ステルザー氏は南アフリカとドイツの二重のルーツを持ち、1989年のミス・ユニバース世界大会にはミス・ドイツ代表として出場し、セミファイナルまで進出しています。

特別賞受賞者

大会では、最終結果とは別に、特別賞も授与されました。以下にその受賞者を示します。

ミス・アミティー：グアム代表 - ルーシー・モンティノラ氏
ミス・フォトジェニック：オランダ代表 - ブリギッテ・ベルグマン氏
* ベスト・ナショナル・コスチューム：コロンビア代表 - サンドラ・カルダス氏

ミス・ユニバース1985大会は、世界中から集まった美しい女性たちの輝きと共に、開催地の問題や国際的な社会情勢など、様々な側面が交錯した記憶に残る大会となりました。

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