ミス・ユニバース2002

第51回ミス・ユニバース世界大会（2002年）

2002年のミス・ユニバース世界大会、正式には第51回大会は、美の頂点を目指す国際的な祭典として盛大に執り行われました。この年の舞台となったのは、美しいカリブ海の島、プエルトリコのサンフアン。具体的には、ロベルト・クレメンテ・コロシアムにて、2002年5月29日に開催されました。

大会には、世界中から集まった実に75もの国および地域の代表が参加しました。それぞれの候補者は、自国の文化や美しさを胸に、厳正な審査に臨みました。ウォーキング、水着審査、イブニングガウン審査、そして知性を問われる質疑応答など、多岐にわたる評価基準を通じて、世界一の栄冠を目指す競争が繰り広げられました。

数々の審査を経て、最終的に栄えあるミス・ユニバースの称号を手にしたのは、ロシア代表のオクサーナ・フョードロワ氏でした。彼女は、前年のミス・ユニバースであるプエルトリコ代表のデニス・キニョネス氏から、伝統に則ってティアラとサッシュを受け継ぎました。

日本からは、代表として千葉美苗さんがこの国際的な美の競演に参加しました。

しかし、この2002年大会は、単なる美の祭典としてだけでなく、大会の歴史において極めて異例な出来事が発生した年として記憶されています。優勝したオクサーナ・フョードロワ氏が、戴冠からわずか約4ヶ月という短期間で、ミス・ユニバースのタイトルを剥奪されるという事態が起こったのです。これに伴い、大会で次点、つまり第2位であったパナマ代表のジャスティン・パセク氏が、大会の規定に基づいてミス・ユニバースの地位に繰り上げられることとなりました。

このタイトル剥奪とその後の繰り上げは、ミス・ユニバース大会の長い歴史上、初めてのことでした。大会の生中継において、万が一優勝者が任期中の義務を全うできなくなった場合には、次点の者がその役割を引き継ぐという旨の免責条項が慣例的に読み上げられますが、この2002年大会の結果は、まさにその規定が実際に適用された初めての事例となったのです。

また、この大会はテレビ放送の面でも一つの区切りとなりました。長年にわたりミス・ユニバース大会を全米に放送してきたCBSにとっては、2002年が最後の中継となりました。翌2003年以降の大会は、NBCが実業家のドナルド・トランプ氏と共に大会の共同オーナーシップを取得し、同局が放送を担うこととなります。

メインのタイトル争い以外にも、出場者の個性や才能を称える特別賞がいくつか授与されました。

ミス・コンジニアリティ（親善賞）：最も友好的で、出場者からの投票で選ばれるこの賞には、アメリカ領ヴァージン諸島代表のマーリサ・ジョージ氏が輝きました。
ミス・フォトジェニック：写真映えする美しさを持つ出場者に贈られるこの賞は、開催国であるプエルトリコ代表のアイシス・キャソルダック氏が受賞しました。
* ベスト・ナショナル・コスチューム：各国の文化を象徴する最も優れた民族衣装を披露した出場者に贈られるこの賞は、コロンビア代表のヴァネッサ・メンドーサ氏が選ばれました。

2002年のミス・ユニバース世界大会は、華やかな美の祭典という側面はもちろん、大会史上初めてのタイトル剥奪と繰り上げ優勝、そして放送局の変更といった、記憶に残る出来事が重なった、非常に象徴的な大会と言えるでしょう。

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