ミズーリ工科大学

ミズーリ工科大学（Missouri University of Science and Technology）

ミズーリ工科大学は、アメリカ・ミズーリ州のローラに位置し、1870年に設立された州立大学です。略称はMST、Missouri S&T、またはUMR（旧称）としても知られています。この大学は、ミシシッピ川以西で初めて設立された理工系の教育機関であり、高い評価を得ている理由がいくつかあります。

歴史と発展

最初はミズーリ鉱冶金学校として開設され、主に鉱業と金属工学の分野に特化していました。しかし、1920年代に機械工学や電気工学、さらに理学や数学の分野が追加され、次第に学問の幅を広げていきました。1964年にはミズーリ大学ローラ校として改称され、その後、多様な文系学部も加えられ、総合的な大学へと進化しました。2008年には、現在の名称であるミズーリ工科大学へと改称されました。

特徴的な学科と研究

この大学は、1961年にミズーリ州で最初の原子炉を設置したことで知られています。原子炉は一般公開され、見学希望者は申し込むことでその内部を見学することができます。さらに、1967年にはアメリカで初めて工業管理学の大学院が設立され、爆発物工学や軍事建設学科、石油化学工学科など、他大学には少ない希少な学科も揃っています。

就職率とその成果

理工系大学として、卒業生の就職率は非常に高い水準を維持しています。特に、卒業生の平均初任給は全米で第三位を記録しており、費用対効果の面でも全米第一位に評価されています。多くの卒業生が五大湖周辺の都市、特にシカゴなどで活躍しています。

キャンパス環境

ミズーリ工科大学のメインキャンパスは、セントルイスとオクラホマシティを結ぶ州間高速道路44号沿いに位置し、約300エーカーの広さがあります。セントルイスやスプリングフィールドにもオンライン授業用の教室があり、さらに近隣のフォート・レオナード・ウッド陸軍基地内に研究所があります。

特筆すべきは、キャンパス内に存在するストーンヘンジのレプリカで、これは1984年に学生たちによって作られ、翌年には全米エンジニア協会から表彰を受けました。このレプリカは「ローラストーンヘンジ」として親しまれています。

校風と学生生活

ミズーリ工科大学は、実学と研究重視の姿勢を持つ理工系大学で、学生数は学士から博士課程まで合わせて約8000～9000人と比較的小規模です。この地理的条件から、他大学と比べると多様性のある学生は少なくなっていますが、フラタニティやソロリティは非常に活発に活動しています。

学生たちの愛称は「Miners（鉱員）」で、女子学生は「Lady Miners」と呼ばれています。マスコットは鉱員を模したキャラクター「Joe Miner」で、スクールカラーは緑です。毎年聖パトリックの日には、「Best Ever」と称されるイベントが開催され、キャンパス全体が盛り上がります。この時期、コンピュータ学科では特別なゲームを制作し、学生たちに楽しんでもらっています。

このように、ミズーリ工科大学は理系教育の老舗として、優れた学問とコミュニティの精神を融合させた魅力的な教育機関です。

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