ミックマック (映画)

映画『ミックマック』解説

『ミックマック』（原題: Micmacs à tire-larigot）は、2009年に公開されたフランス映画。ジャン＝ピエール・ジュネ監督独特の映像美と、風変わりなキャラクターたちが織りなす、コミカルで heart-warming な物語が魅力です。

ストーリー

物語の主人公は、レンタルビデオ店で働くバジル。彼はある日、偶然居合わせた発砲事件に巻き込まれ、流れ弾が頭部に命中してしまいます。弾丸は摘出不能な状態で頭の中に残ってしまい、その影響で彼は職も家も失い、どん底の生活を送ることに。

そんなバジルは、ひょんなことからスクラップ工場の仲間たちと出会い、新たな人生を歩み始めます。個性豊かな彼らに囲まれ、少しずつ希望を取り戻していくバジル。しかしある日、彼は頭の中の銃弾を製造した会社と、30年前に父親を殺した地雷を製造した会社が同じであることを知ります。過去の因縁と怒りがこみ上げたバジルは、工場の仲間たちと共に、2つの軍需企業に対し、イタズラという名の復讐を計画するのでした。

キャスト

バジル：ダニー・ブーン（頭に弾丸が残った主人公）
フラカス：ドミニク・ピノン（バスター）
ママ・チャウ：ヨランド・モロー（料理番）
プラカール：ジャン＝ピエール・マリエール（刑務所）
ラ・モーム・カウチュ：ジュリー・フェリエ（軟体女）
タイニィ･ピート：ミッシェル・クレマド（発明家）
カルキュレット：マリー＝ジュリー・ボー（計算機）
レミントン：オマール・シー（民族史学者）
ド･フヌイエ：アンドレ・デュソリエ（オーベルヴィリエ軍事会社社長）
フランソワ・マルコーニ：ニコラ・マリエ（ヴィジランテ兵器会社社長）

作品の魅力

ジュネ監督ならではの世界観

『デリカテッセン』や『アメリ』など、独特の映像美とユーモアセンスで知られるジャン＝ピエール・ジュネ監督。本作でも、その個性は遺憾なく発揮されています。どこか懐かしい雰囲気のセットや小道具、カラフルな色使いなど、細部にまでこだわり抜かれた映像は、観る者を幻想的な世界へと誘います。

個性豊かなキャラクターたち

バジルを始め、スクラップ工場の仲間たちは、皆それぞれ特技を持った個性的な人物ばかり。元囚人、軟体女、発明家、人間計算機など、一癖も二癖もある彼らが、バジルの復讐劇をサポートします。彼らのコミカルなやり取りや、団結していく姿は、観る者の心を温かくしてくれます。

社会風刺とユーモアの融合

本作は、軍需産業に対する批判というシリアスなテーマを扱いながらも、全編にユーモアが散りばめられています。大真面目な顔で突拍子もないイタズラを仕掛けるバジルたちの姿は、観る者を笑わせると同時に、社会の矛盾を浮き彫りにします。

受賞・ノミネート

第35回セザール賞
ノミネート: 音響賞
ノミネート: 美術賞 - アリーヌ・ボネット
ノミネート: 衣装デザイン賞 - マデリーン・フォンテーヌ

制作の裏側

当初、バジル役にはジャメル・ドゥブーズが予定されていましたが、撮影開始10週間前に降板。急遽ダニー・ブーンが代役を務めることになりました。

外部リンク

公式ウェブサイト（日本語）
ミックマック - allcinema
ミックマック - KINENOTE
Micmacs à tire-larigot - オールムービー（英語）
Micmacs à tire-larigot - IMDb（英語）
Micmacs (Micmacs à tire-larigot) - Box Office Mojo（英語）
* Micmacs (Micmacs à tire-larigot) - Rotten Tomatoes（英語）

まとめ

『ミックマック』は、ジャン＝ピエール・ジュネ監督ならではの映像美と、個性豊かなキャラクターたちが織りなす、コミカルで心温まる作品です。社会風刺を織り交ぜながらも、希望とユーモアに満ちた物語は、観る者に元気を与えてくれます。ぜひ、この機会にご覧ください。

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