ミドルタウン・マンスフィールズ

ミドルタウン・マンスフィールズ：幻のプロ野球チーム

ミドルタウン・マンスフィールズは、1872年にアメリカ合衆国コネチカット州ミドルタウンを本拠地として、ナショナル・アソシエーションに加盟していたプロ野球チームです。その歴史は短く、1年足らずで消滅しましたが、いくつかの興味深いエピソードと記録を残しています。

創設と加盟

マンスフィールズの起源は、南北戦争後の1866年に遡ります。コネチカット州ミドルタウンにあったダグラス社の工場従業員を中心に、アマチュアの野球チームとして創設されました。チームのニックネームは、南北戦争の英雄であるジョセフ・マンスフィールド将軍に由来します。1870年頃には、コネチカット州有数のアマチュアクラブとして知られるようになりました。

1872年、球団マネージャーのベン・ダグラスは、当時最強を誇っていたボストン・レッドストッキングスとの対戦をミドルタウンで実現しようと交渉しました。しかし、レッドストッキングスのマネージャーであったハリー・ライトは、対戦の条件としてマンスフィールズのナショナル・アソシエーションへの加盟を求めました。交渉は難航しましたが、最終的にダグラスはプロリーグへの加盟を申請し、マンスフィールズは当時のプロ野球リーグの中で最も小さな街をフランチャイズとするプロ球団となりました。

短命なプロ球団

しかし、加盟当初から懸念されていた運営体制の弱さがすぐに表面化しました。資金難や集客の低迷などにより、当初の予定を消化しきれないまま、8月14日の試合を最後にチームは解散しました。マンスフィールズは、プロ野球チームとしてわずか数ヶ月しか存在しなかった、まさに「幻」のチームと言えるでしょう。

所属選手と記録

マンスフィールズには、短い期間ながらもいくつかの注目すべき選手が所属していました。

ジム・オルーク: 同球団でプロデビュー。後にアメリカ野球殿堂入りを果たしました。
エイサ・ブレイナード: ワシントンから移籍してきましたが、ミドルタウンでは0勝2敗に終わりました。

主なチーム記録は以下の通りです。

チーム最多安打: 42（ティム・マーネン）
チーム最多打点: 15（ジム・ティッパー）
チーム最多勝利: 3（フランク・バタリー）

これらの記録は、チームの短命さを考えると、特筆すべきものと言えるかもしれません。

まとめ

ミドルタウン・マンスフィールズは、短命に終わったプロ野球チームでしたが、その歴史はアメリカ野球の黎明期における地方都市の熱狂と、プロ野球リーグの発展過程における苦難を物語っています。ジム・オルークのような後世に名を残す選手を輩出したことも、このチームの特筆すべき点です。幻のチーム、ミドルタウン・マンスフィールズは、アメリカ野球史の一つの傍流として、記憶されるべき存在でしょう。

参考資料

チーム成績(Baseball Reference)
netshrine.com
franchise info (www.kypris.com)

もう一度検索