ミネソタ (戦艦)

戦艦ミネソタ（USS Minnesota, BB-22）の生涯

戦艦ミネソタは、アメリカ海軍が誇るコネチカット級戦艦の5番艦として、その名を歴史に刻みました。1903年10月27日にバージニア州ニューポート・ニューズで起工し、1905年4月8日に進水、1907年3月9日に初代艦長J・ハバード大佐の指揮下で就役しました。艦名はアメリカ合衆国ミネソタ州にちなみ、同名の艦としては2隻目です。

世界巡航と初期の活動

就役後、ミネソタはニューイングランド沖での整調を経て、1907年4月22日から9月3日までジェームズタウン博覧会に参加しました。その後、12月16日にはグレート・ホワイト・フリートの一員としてハンプトン・ローズを出航し、世界巡航に参加。この巡航は1909年2月22日まで続き、アメリカ海軍の威容を世界に示しました。特に太平洋ではその存在が抑止力として機能し、アメリカ海軍の力を世界に知らしめる上で重要な役割を果たしました。また、この世界巡航は、アメリカ合衆国が国益を維持するために強力な海軍力と商船隊が必要であることを議会に認識させる契機となりました。

世界巡航後、ミネソタは大西洋艦隊に所属し、作戦活動を再開しました。その後3年間は、イギリス海峡への短期間の配備や、アメリカ東海岸沿いでの活動に従事しました。1912年には国際的な任務にも参加し、キューバ水域での巡航やグアンタナモ湾での待機任務を経験。また、メキシコの政情不安に対処するため、1913年から1914年にかけてメキシコ水域を二度訪れました。

1915年からは、東海岸での任務を再開し、カリブ海への巡航も実施しました。これらの任務は、ミネソタが1916年11月に大西洋艦隊予備役艦隊の旗艦となるまで続けられました。

第一次世界大戦での活躍とその後

1917年4月6日、アメリカが第一次世界大戦に参戦すると、ミネソタは現役艦隊に復帰し、チェサピーク湾で第4戦間部隊に配属されました。大戦中は、大西洋沿岸の中央部を巡航し、砲術や機関員の訓練任務に従事しました。しかし、1918年9月29日、ミネソタはデラウェア州沖でドイツ潜水艦U-117の雷撃を受け、右舷に大きな損傷を被りました。幸い、死傷者は出ませんでしたが、修理のためフィラデルフィアに戻り、5ヶ月間の修理を行いました。

1919年3月11日に任務に復帰したミネソタは、帰還兵輸送任務に従事。フランスのブレストまで3往復し、3,000名以上の帰還兵を輸送しました。この任務は同年7月23日まで続けられました。

退役とその後

戦後、ミネソタは練習艦として活用され、1920年と1921年の夏には海軍兵学校の士官候補生を乗せて巡航しました。しかし、その役目を終え、1921年12月1日に退役、同日除籍されました。その後、フィラデルフィア海軍造船所で武装を解除され、1924年1月23日にスクラップとして売却されました。

ミネソタは、その長い生涯を通じて、アメリカ海軍の象徴として、そしてその力を示す重要な存在であり続けました。


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