Mineral(ミネラル)
アメリカ合衆国出身のロックバンド、Mineral(ミネラル)は、
1994年に
テキサス州ヒューストンでその産声を上げました。僅か4年という短い活動期間であったにも関わらず、彼らは1990年代の
エモシーンにおいて、ジミー・イート・ワールドやクリスティ・フロント・ドライヴ、そしてセンス・フィールドといった同時代のバンド群と共に、中心的な役割を担う存在となりました。
来歴
Mineralは、
U2やレッド・ハウス・ペインターズ、バッファロー・トムといったアーティストからの影響を公言するフロントマン、クリス・シンプソンを中心にヒューストンで結成されました。その後、活動の拠点をオースティンへと移し、そこから全米各地での精力的なライブ活動を展開していきます。
1998年に解散するまでの僅か4年間という短い期間ながら、彼らは精力的に作品をリリースしました。
主なリリースには、3枚のシングル「Gloria/Parking Lot」(1995年、Caulfield Recordsよりリリース、
1994年にも発表あり)、「February/M.D.」(1996年、Caulfield Records)、「&Serenading/Love My Way」(1997年、Crank! Recordsより。ザ・サイケデリック・ファーズの
カバーを含む)があります。また、ジミー・イート・ワールドや、後に
2004年に解散することとなるセンス・フィールドとのスプリット作品「Crazy」(1997年、Crank! Recordsより。
ウィリー・ネルソンの
カバーを収録)も発表しています。さらに、バンドの中核をなす2枚のスタジオ・アルバム、『The Power of Failing』(1997年、Crank! Records)と『EndSerenading』(
1998年、Crank! Records。マーク・トロンビーノがプロデュースを担当)を世に送り出しました。不安定でありながらも心に深く響く叙情的なメロディーに乗せたクリス・シンプソンの特徴的なヴォーカル・スタイルは、その後の
エモやスクリーモといったジャンルにおけるヴォーカル・スタイルの発展に多大な影響を与えたと広く認識されています。バンド解散後、シンプソンとベーシストのジェレミー・ゴメスは、新たにグロリア・レコードを結成し活動を続けました。
バンドが活動を停止した後も、彼らの
音楽への傾倒を示すフォロワーは途切れることがなく、Mineralはカルト的な人気を博し、半ば伝説として語られる存在となっていきました。
2010年には、『The Power of Failing』と『End Serenading』に未発表音源を多数加えたデジタル・リマスター盤が日本限定でリリースされ、日本のファンを喜ばせました(これらのリマスター盤は
2014年に未発表音源が追加収録され、海外でもリリースされています)。
そして、
2014年5月、突然の再結成がアナウンスされ、世界中のファンに驚きと歓喜をもたらしました。再結成後は全米、全英など、各地でツアーが敢行され、変わらぬ叙情的なサウンドで多くのリスナーを魅了しました。同年10月には、待望の日本ツアー開催と具体的な日程も発表され、日本のファンは彼らの生演奏を体験する機会を得ました。
作品
スタジオ・アルバム
The Power of Failing (1997年)
Endserenading (
1998年)
コンピレーション・アルバム
The Complete Collection (
2010年)
Complete Collection: 1994-1998 (
2014年)
シングル/スプリット
"Gloria/Parking Lot" (
1994年)
"Gloria/Parking Lot" (1995年、再発)
"February/M.D." (1996年)
"Crazy" (1997年、ジミー・イート・ワールド、センス・フィールドとのスプリット)
* "&Serenading/Love My Way" (
1998年)