ミハイル・バルクライ・ド・トーリ

ミハイル・ボグダノヴィチ・バルクライ・ド・トーリの生涯と業績

生い立ちと初期の経歴

ミハイル・ボグダノヴィチ・バルクライ・ド・トーリ（1761年12月27日 - 1818年3月26日）は、ナポレオン戦争の時代に活躍したロシアの軍人であり、その業績は今なお語り継がれています。彼はリガに移住してきたスコットランド貴族の家系に生まれ、父親は一時期軍人として勤務していましたが、母親も貴族の出身でした。彼は多くの貴族と同様に家庭教師から教育を受け、1769年12月には騎兵曹長としての地位を得ました。

軍歴の始まり

教育を終えた後、バルクライはプスコフ騎兵連隊に加わり、1778年には騎兵少尉に昇進し、さらに1783年には陸軍少尉に任命されました。1786年にはフィンランド猟兵軍団に転属し、迅速に昇進して大尉にまで至りました。1787年から1791年にかけてのトルコとの戦争では初陣を飾り、オチャーコフ攻囲戦ではその勇敢さから勲章も受け、少佐に昇進するなど、部隊指揮の才能を早くから発揮しました。

ナポレオン戦争における活躍

1806年12月にバルクライはナポレオン軍と対峙し、プルツクで戦闘を指揮しました。この戦闘での手腕が評価され、三等聖ゲオルギー勲章が授与されます。続くアイラウの戦いにおいては市を守りつつ、自ら突撃に参加し、重傷を負いましたが、治療の後に昇進し、第6歩兵師団長に任命されました。

次いで、彼が指揮した第二次ロシア・スウェーデン戦争では、フィンランドへの侵攻を成功させ、ロシア軍を一層有利な状況に導きました。この功績は彼を歩兵大将に昇進させ、さらには聖アレクサンドル・ネフスキー勲章を授与されるなど、彼の名声を高めました。

祖国戦争と後の評価

ナポレオンのロシア遠征の際には、ロシア第1軍を指揮し、彼の指導力が試される場面も多くありました。戦後も彼はロシア軍の強化に努め、軍の近代化を進めましたが、部下との関係や統率力には課題があったとされています。

彼の晩年は健康が悪化し、療養中に亡くなりました。葬儀はリガで行われ、彼の業績は後の世に語り継がれることとなります。

評価と顕彰

バルクライはその戦歴や能力から一定の評価を受けていましたが、その一方で人望にかなりの改善の余地があったとも言われています。特に焦土作戦を含む戦略の策定は、ナポレオンの侵攻を阻む上で重要な役割を果たしました。彼の死後、様々な記念碑が設立され、彼の名は歴史に刻まれました。特にプロシアやロシアの数ヵ所に建てられた記念碑は、彼の功績に対する敬意を示すものとして評価されています。

もう一度検索