ミヒャエル・ローター

ミヒャエル・ローター（Michael Rother、1950年9月2日 - ）は、ドイツ・ハンブルク出身の音楽家です。彼は、1970年代のドイツ音楽シーン、特に「ジャーマン・ロック（または「クラウトロック」）」と呼ばれる実験的な音楽運動において、重要な役割を果たしました。

初期のキャリアとSpirits of Sound

ローターは、1965年から1971年にかけて、デュッセルドルフの音楽グループ「Spirits of Sound」でギタリストとして活動を始めました。このバンドでの経験が、彼の音楽的な基礎を築いたと言えるでしょう。

クラフトワークへの参加とノイ!の結成

1971年、ローターは短期間ながらクラフトワークにメンバーとして参加します。しかし、すぐに脱退し、そこで出会ったドラマーのクラウス・ディンガーとともに、伝説的なバンド「ノイ!（Neu!）」を結成しました。ノイ!は、反復するリズムと実験的なサウンドで、後の音楽シーンに大きな影響を与えました。

ノイ!は、1970年代前半に3枚の重要なアルバムを制作しましたが、1975年にローターとディンガーの音楽性の違いにより解散しました。しかし、その革新的な音楽は、現在でも多くのミュージシャンに影響を与え続けています。

ハルモニアでの活動

ノイ!としての活動と並行して、ローターはローデリウスとディーター・メビウスとともに「ハルモニア (Harmonia)」を結成し、1976年まで活動しました。ハルモニアは、よりアンビエントでメロディックな音楽性を追求し、ブライアン・イーノとの共同制作も行いました。

ソロ活動と来日公演

1970年代半ば以降、ローターはソロ活動に力を入れるようになります。彼は、1977年に『燃える心』 (Flammende Herzen) を発表して以来、数多くのソロアルバムをリリースしています。彼のソロ作品は、ノイ!やハルモニアの音楽性を継承しつつも、よりパーソナルで内省的なサウンドが特徴です。

1985年から1986年にかけてノイ!を復活させる試みも行われましたが、成功には至りませんでした。

ローターは、日本でも度々公演を行っており、日本のファンにも愛されています。1999年にはディーター・メビウスと、2011年には山口情報芸術センターでライブコンサートを開催しました。2013年、2016年にも来日公演を行っています。

ディスコグラフィー

『燃える心』 - Flammende Herzen(1977年)
『星空の彼方』 - Sterntaler (1978年)
『カッツェンムジーク（猫の為の音楽）』 - Katzenmusik (1979年)
『熱地帯』 - Fernwaerme (1982年)
Lust (1983年)
Suessherz und Tiefenschaerfe (1985年)
Traumreisen (1987年)
Radio: Musik von Michael Rother - Singles, 1977–1993 (1993年)
Esperanza (1996年)
Remember (The Great Adventure) (2004年)

ミヒャエル・ローターは、その革新的な音楽性で、後のエレクトロニック・ミュージックやアンビエント・ミュージックに大きな影響を与えた、ドイツ音楽界の重要な人物の一人です。

もう一度検索