ミヤコジマツルマメ

ミヤコジマツルマメ（宮古島蔓豆）

概要

ミヤコジマツルマメ（学名：Glycine koidzumii）は、マメ科ダイズ属に属するつる性の多年生草本です。日本のアジア地域に特有の植物であり、特に宮古島やその周辺の島々に自生しています。この植物は、環境省の絶滅危惧Ⅱ類に指定されており、沖縄県では準絶滅危惧に分類されています。

特徴

ミヤコジマツルマメは、通常20cmから30cmの高さに成長します。葉は互生で、長い柄を持つ三出複葉となっています。小葉の形状は狭長楕円形から倒卵状長楕円形で、長さは約1.2cmから2cmです。

この植物の魅力は、秋に咲く花にあります。花序は長さ3cmから8cmの総状の形をしており、蝶のような形をした花が8mmから10mmの大きさで、色合いは紅紫色から青紫色まで多様です。通常の開放花に加えて、閉鎖花をつけることも特徴です。

分布と生育環境

ミヤコジマツルマメは、宮古島や来間島、伊良部島、下地島、石垣島、さらに黒島など、先島諸島に分布しています。これらの地域では、特に海岸の岩場など、風衝条件下で生育することが観察されています。この植物は先島諸島の固有種とされていますが、ボウコツルマメ（G. tabacina）などの近縁種との関連を考慮すると、既にアジア東南アジアに広範囲に分布していた可能性が示唆されています。これは、特定の環境条件下で生き残った遺存種であるということを意味し、琉球列島の植物相の成立に関する重要な手がかりを提供しています。

生物学的意義

この植物はその希少性から、学問的にも保護活動の面でも重要視されています。絶滅危惧に指定されていることから、その保全に向けた取り組みが求められています。沖縄県では、ミヤコジマツルマメを可視化し、より多くの人々に知ってもらうために教育活動が進められています。

利用

環境省によって絶滅危惧II類に分類されたミヤコジマツルマメは、特に竹富町において希少な野生動植物種と認識されています。このような植物の保護は自然環境の保全にも寄与するものであり、地域の生態系の一部としての重要な役割を果たしています。

参考文献

• - 米倉浩司; 梶田忠「ミヤコジマツルマメ」『BG Plants 和名－学名インデックス（YList）』2003年。
• - 沖縄県『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物　第３版　レッドデータおきなわ』2018年。
• - 環境省『環境省レッドリスト2020』。
• - 立石庸一「琉球マメ科植物相の再検討－まずはボウコツルマメ・ミヤコジマツルマメ群から」『植物分類・地理』1995年。

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