ミュージックトマト

ミュージックトマト（Music Tomato）

ミュージックトマトは、1980年代から1990年代中頃にかけて、神奈川県のテレビ神奈川（TVK）で放送されていた音楽番組です。略称は「ミュートマ」で、多くの音楽ファンに親しまれました。日本国内においては、洋楽ヒット曲のミュージック・ビデオを集中的に放送する数少ない番組の一つでした。

番組の特色

放送開始当初、アメリカのMTVの影響を受けて、洋楽ビデオクリップの放送を行う先駆的な番組でした。当時の日本ではビデオクリップを流すテレビ局が少なく、ミュージックトマトは特に希少価値が高い存在でした。プログラムの流れに盛り込まれたV.J.（ビデオジョッキー）の曲紹介やトークが、FMラジオの雰囲気を演出し、視聴者に親しみを持たれる要素となりました。

放送時間は毎週月曜日から金曜日の16:55から17:45までという設定で、視聴者は仕事帰りや学校帰りに楽しむことができました。番組では毎回約10曲をピックアップし、そのイントロやエンディングにV.J.のしゃべりが織り交ぜられていました。

邦楽ビデオの増加

1980年代後半に入ると、日本国内のアーティストによるビデオクリップの制作も増え始めました。しかし、初期の段階では邦楽ビデオが少なかったため、洋楽ビデオに特化した形で放送が続けられていました。その後、邦楽ビデオの数が増えると、独立した番組「ミュージックトマトJAPAN」が立ち上がり、邦楽の映像はそちらに移行しました。これに伴い、ミュージックトマトは再び洋楽に絞った内容となり、「ミュージックトマトWorld」という新しい名称に変更されました。

曜日ごとの構成

1990年代に入り、番組はリニューアルを行い、曜日ごとに異なるテーマや内容が設定されました。以下に、それぞれの曜日の特徴を示します。

• - 月曜日：特定の海外アーティストを週替わりで特集する「Music Tomato Monday」。V.J.担当は鈴木しょう治。
• - 火曜日：生放送で行われる「Music Tomato Tuesday」。V.J.は今泉圭子。
• - 水曜日：ハードロック専門の「Music Tomato ROCK SHOW」。こちらも生放送で、V.J.は伊藤政則が担当しました。
• - 木曜日：洋楽を中心にした「Mutoma World」。これまでの内容を引き継ぎ、V.J.は伊藤なつみ。
• - 金曜日：リクエスト形式とアーティスト情報を提供する「Mutoma Friday」。V.J.は大森庸雄と平尾美保が担当しました。

月曜日と木曜日以外は、横浜そごう地下1階にあった「MM21スタジオ」からの公開生放送が行われ、観客とともに番組が制作されました。これにより、視聴者は臨場感を味わうことができ、より一層番組に愛着を持つようになりました。

ビデオジョッキー

番組には多くのビデオジョッキーが登場し、各曜日ごとに異なるV.J.が担当することで視聴者を飽きさせない工夫が凝らされました。著名なV.J.には、ジェームス蘇我やランディー木崎、松岡英明、伊藤政則がいて、それぞれが個性溢れるトークを展開していました。ランディー木崎は後にスポーツジャーナリストとしても知られ、イチローの取材で名を馳せています。

ミュージックトマトは時代の流れに合わせて進化し続け、多くの音楽ファンに愛される存在として、日本の音楽シーンに重要な役割を果たしました。

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