ミラクルジャンプ

ミラクルジャンプ：SFとファンタジーの潮流

集英社が発行していた『ミラクルジャンプ』は、週刊誌『週刊ヤングジャンプ』の増刊として2011年1月に創刊された月刊の青年漫画雑誌でした。SFとファンタジーをテーマに据え、多くの読者から支持を集めました。

当初は隔月刊誌としてスタートし、『漫革』や『月刊ヤングジャンプ』の流れを汲む雑誌として、既存の人気作品の外伝や、週刊ヤングジャンプ連載作家の読み切り作品、魅力的なピンナップイラストなども掲載していました。これにより、既刊ファンはもちろんのこと、新規読者も獲得することに成功しました。

2013年にはリニューアルを目的として一時休刊。その後、2014年には月刊誌として再開されました。再開号以降は、発売月の翌月を月号として表記するスタイルが採用されました。

2016年には、新たな試みとして初のグラビアコンテスト「ミラドル」を開催。アイドルカレッジの石塚汐花さんがグランプリを獲得し、巻頭グラビアを飾りました。さらに同号では、イラストレーターの大暮維人とAKB48の小栗有以さんのW表紙という、話題性抜群の企画も実現しました。

しかし、2017年3月号をもって、「リニューアルのため充電」という理由で、再び休刊という決断が下されました。多くの連載作品を抱え、人気を博していただけに、休刊の報は多くの読者にとって衝撃的な出来事でした。

多彩な連載作品

『ミラクルジャンプ』は、漫画、イラストコラム、小説と様々なコンテンツを掲載していました。

漫画では、多くの作品が連載され、その中には、後に『週刊ヤングジャンプ』などに移籍して人気を博した作品も含まれていました。例えば、『テラフォーマーズ』や『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』などは、ミラクルジャンプで連載が始まった後、人気を博し、他の媒体へ活躍の場を広げていきました。

イラストコラムでは、『GANTZ』の奥浩哉氏がSF映画をレビューする人気連載が掲載。奥氏自身の視点による映画紹介は、多くの読者を魅了しました。

小説では、『東京喰種トーキョーグール』の小説版など、人気漫画を原作とした作品が掲載され、漫画作品の世界観をより深く楽しむことができるコンテンツを提供していました。

新人発掘への取り組み

『ミラクルジャンプ』は、若手作家の発掘にも力を入れており、「ミラクルコミック大賞」という新人賞制度を設けていました。この新人賞は、読者の投票と審査員の評価を合わせた総合評価で受賞者を決定するもので、多くの才能ある作家を発掘する機会を提供していました。

雑誌休刊とその後

『ミラクルジャンプ』は、2度の休刊を経て、2017年をもって完全に休刊となりました。短期間ではありましたが、多くの魅力的な作品や企画を生み出し、日本の漫画界に貢献しました。休刊後も、掲載されていた作品の中には、『となりのヤングジャンプ』などのWebサイトに移籍して連載を続けるものもありました。

『ミラクルジャンプ』は、その短い歴史の中で、多くの読者やクリエイターに影響を与え、SFとファンタジーというジャンルを盛り上げる上で重要な役割を果たした雑誌として、記憶されています。多くの連載作品は他の媒体で継続されたり、新たな展開を迎えたりするなど、その影響は現在も続いています。

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