ミリアム・シルババーグ

ミリアム・ロム・シルババーグの生涯と業績

ミリアム・ロム・シルババーグ（1951年1月19日 - 2008年3月16日）は、アメリカの歴史学者として近代日本史の研究に大きな貢献をした方です。彼女はカリフォルニア大学ロサンゼルス校（UCLA）の名誉教授で、2000年から2003年まで女性学研究センターの代表を務めました。

経歴

シルババーグはワシントンD.C.で生まれ、9歳の時に家族と共に東京に引っ越しました。彼女の少女時代は東京で過ごし、聖心インターナショナルスクールに通いました。この経験が、彼女の学問的な関心に多大な影響を与えたと考えられています。

アメリカに戻った後、ジョージタウン大学で教育を受け、修士号を取得しました。彼女の修士論文では、関東大震災の際における朝鮮人に対する虐殺という重要なテーマを取り上げました。その後、シカゴ大学に進学し、博士号を取得しました。

UCLAでの教職に就いた後、シルババーグは日本の思想史や現代の大衆文化を研究し、様々なテーマについて執筆しました。特に1990年に発表した中野重治に関する研究『Changing Song: The Marxist Manifestos of Nakano Shigeharu』は、東アジア史研究において高く評価され、ジョン・K・フェアバンク賞を受賞しました。

主な著書

シルババーグの代表的な著作には次のものがあります。

• - 『Changing Song: The Marxist Manifestos of Nakano Shigeharu』 (1990) - プリンストン大学出版で272ページにわたるこの作品は、中野重治の思想を探ります。
• - 邦訳『中野重治とモダン・マルクス主義』 (1998) - 平凡社から379ページとして出版され、研究の成果を日本語でも楽しむことができます。
• - 『Erotic Grotesque Nonsense: The Mass Culture of Japanese Modern Times』 (2007) - カリフォルニア大学出版から369ページにわたり、戦前日本の大衆文化を分析しています。

これらの著作は、シルババーグの学問的成果を存分に示すものであり、日本の文化的背景を深く理解するための貴重な資料となっています。

晩年

シルババーグは2005年にUCLAを退職し、名誉教授の地位を享受しました。その後、2007年には彼女の最後の著作が発表され、日本の近代における大衆文化をテーマにした研究が引き続き注目を集めました。

晩年、彼女はパーキンソン病に苦しむことになりました。この病気に伴う合併症が原因で、2008年の春にロサンゼルスの病院で亡くなりました。

まとめ

ミリアム・ロム・シルババーグの業績は、近代日本史の研究だけでなく、女性学や文化研究においても重要な役割を果たしました。彼女の研究は多くの後進の学者に影響を与え、今後もその功績は色あせることがないでしょう。

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